岩瀬義郎

岩瀬義郎

岩瀬義郎（いわせ よしろう、1920年4月19日 - 2015年1月10日）は、日本の大蔵官僚であり、そのキャリアを通じて、日本の経済と金融政策に大きな影響を与えました。彼の経歴は、戦後の日本経済の復興と成長期における官僚の役割を象徴するものです。

生涯

東京府（現在の東京都）出身の岩瀬は、1943年12月に臨時召集を受け、横須賀第2海兵団に入隊。その後、主計見習尉官として従軍し、1945年9月に予備役となりました。終戦後の1946年9月、東京帝国大学経済学部経済学科を卒業後、日本銀行に入行し、国債局書記としてキャリアをスタートさせました。しかし、そのキャリアは長くは続かず、1947年12月に高等試験行政科に合格し、大蔵省に入省。理財局に配属されました。

大蔵省入省後、岩瀬は税務署長（千葉、芝）を経て、大蔵大臣秘書官（事務担当）や為替局総務課長補佐などの要職を歴任。1963年8月からは外務省在英国大使館一等書記官として海外勤務も経験しました。帰国後は、主計局主計官（外務、通商産業担当）、理財局資金課長、理財局総務課長を歴任し、1971年1月には大臣官房審議官（大臣官房担当）に就任。その後も、近畿財務局長、大臣官房審議官（銀行局担当）、大臣官房審議官（大臣官房調査企画課担当）と、重要なポストを歴任しました。

1975年7月には証券局長に、1976年6月には理財局長に就任し、大蔵官僚としての頂点を極めました。1977年6月10日に退官後は、日本キャッシュサービス取締役社長、外務省海外移住審議会会長、沖縄振興開発金融公庫理事長、財団法人日本経済教育センター副会長などを歴任し、退官後も多方面で活躍しました。1990年4月には、その功績が認められ、勲二等を授与されました。

人物像

岩瀬は、誰に対しても誠実に対応することを心がけていたとされています。日本銀行の国債局に在籍していた経験や、当時の総裁であった山際正道と容姿が似ていたことから、「山際二世」という愛称で呼ばれていました。大蔵省では主に理財畑を歩み、日本の財政政策に深く関わりました。

略歴

1946年10月：日本銀行入行、国債局書記
1947年12月：高等試験行政科合格
1947年12月：大蔵省入省、理財局属
1950年5月：千葉税務署長
1951年8月：芝税務署長
1952年12月：為替局管理課長補佐
1955年8月：大蔵大臣秘書官（事務担当）
1956年12月：為替局総務課長補佐
1959年4月：大臣官房文書課長補佐
1963年4月：外務省研修所（〜1963年8月）
1963年5月：大臣官房付
1963年8月：大臣官房財務調査官
1963年8月：外務省在英国大使館一等書記官
1966年8月：主計局主計官（外務、通商産業担当）
1968年6月：理財局資金課長
1969年8月15日：理財局総務課長
1971年1月21日：大臣官房審議官（大臣官房担当）
1971年6月22日：近畿財務局長
1972年6月27日：大臣官房審議官（銀行局担当）
1974年7月1日：大臣官房審議官（大臣官房調査企画課担当）
1975年7月8日：証券局長
1976年6月11日：理財局長
* 1977年6月10日：退官

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