岩船地蔵堂 (鎌倉市)

岩船地蔵堂についての詳細

神奈川県鎌倉市にある岩船地蔵堂は、扇ガ谷という地域に位置しています。この仏堂の主祭神は地蔵菩薩であり、鎌倉二十四地蔵霊場の中で第15番札所にあたります。岩船地蔵堂は海蔵寺が関わっており、源頼朝の長女大姫にまつわる伝説でも知られています。

概要

岩船地蔵堂は臨済宗建長寺派の海蔵寺によって管理されている境外の仏堂です。堂内には2体の地蔵菩薩が安置されています。中心となる木造の地蔵菩薩の立像は、約90センチの高さを持ち、扉の穴から覗くことができます。また、その背後には約130センチの石造地蔵菩薩像が秘仏として安置されており、こちらは風化した姿で知られています。木製の像は、公共によく知られる前立仏であり、岩船地蔵と称される本尊の由来となっています。現在の八角堂は2001年に落慶されたもので、外観は全てヒノキ材で造られ、屋根は銅板で葺かれています。内部は非公開ですが、落慶の翌日には特別に開帳されました。

歴史

岩船地蔵堂の由来については様々な説がありますが、源頼朝の長女である大姫の念持仏を祀って始まったとされる伝承があります。しかし、その正確な歴史的事実は不明です。江戸時代の宝永期の絵図には「地蔵堂」の存在が示されており、少なくともそれ以前にはこの場所に堂があったことが分かります。堂内の古い板には、1711年8月に造立されたとの記録があります。江戸時代には、頼朝の息女の守本尊であったとの記載も残っており、この時期に伝承が固まっていた事が考えられます。

1923年には関東大震災によって堂が全壊し、その後海蔵寺によって新たな堂が建てられました。1925年には新たな入仏式が執り行われました。

考察

岩船地蔵堂の起源については確固たる文献が存在せず、多くの研究者による様々な考察があります。鎌倉国宝館の元館長である三浦勝男は、江戸時代になって石造地蔵の風化を防ぐために新たに木像が作られたのではないかと推測しています。また、赤星直忠は、墳墓堂での記録について根拠を欠くとし、周辺の墓地が信仰対象へと変わった可能性があると考えています。

大姫伝説に関しては、他の記録と照らし合わせながら実際の供養仏は異なるかもしれないとする意見も存在しています。さらに、関幸彦は、地蔵堂の南側にある大友氏との関係性にも言及しています。

仏像の詳細

岩船地蔵堂には2体の主要な仏像があります。一つは秘仏である石造の地蔵菩薩立像で、高さは約130センチ、材質は鎌倉石で作られています。光背は舟形をしており、その形状から通称として「岩船地蔵」と呼ばれています。しかし、この像は長年の風化により状態が悪化しています。

もう一つは、木造の地蔵菩薩立像です。この像も童子像を従えており、像高は約90センチです。1690年に造立され、1831年から1845年の間に再興されています。

所在地

岩船地蔵堂は以下の住所にあります：

• - 248-0011 神奈川県鎌倉市扇ガ谷3丁目3-21

最寄り駅からは、鎌倉駅西口より徒歩約15分の距離にあります。

まとめ

岩船地蔵堂は、神奈川県の歴史と文化を象徴する場所であり、多くの信仰が集まる特別なスポットです。地蔵信仰に根ざしたこの仏堂は、訪れる人々にその背後にある歴史や伝説を想起させます。

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