岳の幟

岳の幟（たけののぼり）

長野県上田市別所温泉地区に伝わる「岳の幟」は、雨乞いの儀式が祭事化した夏祭りであり、別所温泉の岳の幟行事として『記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財』に選択されています。

由来

別所温泉地区は、塩田平の南西に位置し、古くから干ばつに悩まされることが多かった地域です。1504年（永正元年）には、大干ばつが発生し、深刻な状況に陥りました。この時、地域の人々は、南西に位置する夫神岳（おがみだけ）に、青木村夫神地区と別所地区の人々が集まり、「何卒雨を降らせてください」と雨乞いを祈願しました。すると、三日三晩雨が降り続き、作物は息を吹き返し、豊作となったと伝えられています。

この出来事に感謝した人々は、夫神岳の山頂に九頭竜神を祀った祠を建立しました。そして、毎年各家で織った3丈（約9メートル）の長幟を奉納し、感謝と豊作を祈願するようになったことが、岳の幟の起源とされています。

祠を建立する際、祠を夫神地区と別所地区のどちらに向けるかで争いになりました。その結果、夫神岳の山頂に向けて、牛と馬を競走させることで決着をつけることになりました。牛と馬はくじ引きで決められ、別所地区は牛、夫神地区は馬で競走が行われました。現在、祠は東を向いています。

近年の状況

現在、岳の幟は毎年7月15日付近の日曜日に行われています。また、その前日の土曜日には祇園祭が開催され、地域観光の目玉となっています。近年では、長野オリンピック閉会式のアトラクションとして採用されたことで、その知名度も高まりました。

関連情報

• - 別所温泉
• - 九頭竜伝承

外部リンク

• - イベントカレンダー: 岳の幟 - 上田市役所
• - 上田市の歳時記: 岳の幟 - 上田市役所
• - 信州上田市別所温泉 岳の会

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