岳岱

岳岱自然観察教育林

秋田県藤里町にある岳岱自然観察教育林は、ブナを主体とする約12haの原生林です。樹齢400年ともいわれる巨大なブナがそびえ立つ、まさにブナの巨木の森と呼ぶにふさわしい場所です。

概要

標高620mに位置する岳岱は、藤里駒ヶ岳東側の緩やかな傾斜地に広がります。冷温帯落葉広葉樹林の極相に近い林相を呈し、原生的な自然が残されています。昭和48年にレクリエーションの森「岳岱風景林」として指定された後、平成4年に現在の名称に変更されました。

1.8kmの遊歩道が整備されており、ブナの巨木をはじめ、イタヤカエデ、ヤチダモ、ホオノキ、サワグルミなどの大木を間近で観察できます。笹竹が少ないため、苔むした巨岩とブナ林が織りなす景観は、まるで庭園のような美しさです。

見どころ

ブナ原生林

岳岱では、ブナの幼木から老木まで、様々な生育段階のブナを観察できます。中には樹齢400年を超える老木も見られ、悠久の時を感じさせます。時期によっては、モリアオガエル池でクロサンショウウオを見かけることもあります。

多目的展示施設

林内には、白神山地や岳岱の自然を紹介する多目的展示施設があり、休憩所としても利用できます。バリアフリー遊歩道も整備されており、子供から年配の方まで、気軽にブナ原生林の散策を楽しめます。

白神の恵み

遊歩道の最深部には、白神の恵みと呼ばれる超軟水の湧き水があります。雨の日には、ブナの樹幹を伝って流れる水を見ることもできます。

巨岩とブナ

台地一帯には、藤里駒ヶ岳の噴火によって運ばれたと考えられる巨岩が点在しています。これらの岩は苔や地衣類に覆われ、長い年月を経て、岩を抱きかかえるほどに成長したブナの大木が随所に見られます。

400年ブナ

樹齢300年前後といわれるブナの寿命を遥かに超える老木で、かつては「400年ブナ」と呼ばれ親しまれていました。幹周り485cm、樹高26mを誇り、「森の巨人たち百選」にも選定された白神のシンボルでしたが、残念ながら2023年3月に倒伏しました。現在は、倒れたままの姿で保存されており、森のサイクルを間近に観察できる場所として、また森林環境教育の教材として活用されています。

周辺の見どころ

田苗代湿原

岳岱自然観察教育林から藤里駒ヶ岳登山道入口まで約3.4kmの場所に位置する湿原です。ミズバショウやショウジョウバカマ、ニッコウキスゲなど、湿原に咲く高山植物を観察できます。

釣瓶落峠

藤里町と西目屋村の県境にある峠です。

太良峡

藤琴川の上流部にある渓谷で、遊歩道が整備されています。大小さまざまな滝や奇岩、怪石が連続する景観を楽しめます。渓流の岩には、甌穴も見られます。

国設くるみ台野営場

黒石沢林道沿いにあるキャンプ場です。

岳岱自然観察教育林は、手軽に原生林の自然に触れられる貴重な場所です。ぜひ一度訪れて、ブナの巨木や豊かな自然を満喫してください。

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