田苗代湿原

田苗代湿原

田苗代湿原は、秋田県山本郡藤里町の北端、世界遺産である白神山地の藤里駒ケ岳の麓に広がる、19ヘクタールの広さを持つ湿原です。岳岱自然観察教育林の入口から3.4km、駒ケ岳黒石登山口からは徒歩約15分という場所に位置しています。

概要

田苗代湿原は、白神山地の中でも数少ない貴重な高層湿原として知られています。春から夏にかけて、様々な高山植物が次々と花を咲かせ、訪れる人々を楽しませます。特に、花の種類が豊富に入れ替わる6月から8月頃が最も見頃の時期です。

5月には残雪と共にミズバショウやリュウキンカが咲き始め、6月から8月にかけては、ニッコウキスゲ、キンコウカ、タチギボウシなどが順番に咲き誇ります。また、視界が開けるため、湿原を取り囲む山々の紅葉が美しい秋には、ブナの森の黄葉を楽しむ絶好のスポットとなります。

湿原内は、狭い面積ながらも、水分条件の違いによって様々な植生が見られるのが特徴です。乾燥した場所にはナナカマド、ハクサンシャクナゲ、ミネカエデ、チシマザサなどが生育し、湿った場所にはミズバショウ、エゾノリュウキンカ、ミツガシワなどが見られます。その他、ハイイヌツゲが優勢な場所、ニッコウキスゲやキンコウカが優勢な場所、モウセンゴケが優勢な場所など、多様な植物が観察できます。

田苗代湿原で見られる主な植物は以下の通りです。

ミズバショウ
エゾノリュウキンカ
ショウジョウバカマ
ザゼンソウ
シラネアオイ
タムシバ
ミツガシワ
ニッコウキスゲ
モミジカラマツ
ハクサンシャクナゲ
ウラジロヨウラク
モウセンゴケ
トキソウ
サワラン
オニシモツケ
イワカガミ
キンコウカ
タチギボウシ
ツルコケモモ
ミツバオウレン
エゾリンドウ
ウメバチソウ
ワタスゲ
ミヤマナラ

歴史

1947年頃まで、この湿原では牛の放牧が行われていました。白石叉沢は地形が緩やかな傾斜であるため、沢沿いや尾根沿いまで牛が放牧されていました。黒石叉の奥、青森県境までの台地上にこの田苗代湿原があり、放牧された牛の姿が見られました。

関連項目

白神山地
藤里駒ケ岳

外部リンク

白神山地世界遺産センター（藤里館）
藤里森林生態系保全センター

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