岸田正記

岸田正記（きしだ まさき）

岸田正記（1895年12月1日 - 1961年6月3日）は、日本の実業家であり、政治家であります。彼は広島県に生まれ、幾久屋百貨店の創立者として知られています。また、複数の政治家の家族を持つことでも注目される存在です。元衆議院議員の岸田文武を父にもち、岸田文雄内閣総理大臣をはじめ、他の政治家の孫としても知られています。

経歴

岸田正記は、広島県出身の岸田幾太郎の長男として生まれ、教育を受ける中で法律を学びました。最初に広島商業学校を卒業した後、長崎高等商業学校や京都帝国大学法学部に進学し、1922年に高等文官試験行政科に合格しました。この資格を得たことにより、彼の専門的なキャリアが始まったと言えます。

その後、1933年に幾久屋百貨店を設立しました。この事業を通じて、彼は地域経済やビジネス界に寄与し、さらに大連や奉天でも不動産業に従事しました。彼が政界に足を踏み入れたのは1928年、立憲政友会から出馬して衆議院議員に初当選したときです。このスタートから、彼は6期連続で当選を果たし、政友会に所属しつつも、流動的な政局の中で昭和会や政友会革新同盟など様々な政党に参加していきました。

岸田正記は、国防委員長や海軍参与官などの重要な役職も歴任し、戦後は日本進歩党の結党に参加しました。しかし、公職追放を受けるものの、1953年に再び衆議院議員として当選し、自由党の総務や幾久屋商事社長としての役割を果たしました。

人物像

岸田正記は真宗を信仰し、趣味には庭球や乗馬を楽しみました。彼の本籍は広島県賀茂郡西志和村にあり、東京・千駄ヶ谷にあった自宅は「穏田マンション」と称される白亜の洋館でした。この建物は、東京で最初に「マンション」と名付けられたことでも特筆されます。

1953年の総選挙後、首相から重要な役職への就任を打診されたものの、彼はその機会を辞退し、財界からの期待を受けて政治の安定を目指して連携工作にも尽力しました。

家族・親族

岸田正記の家族は、多くの著名な政治家と関係があります。彼の妻は和子であり、彼の嗣子である文武は特に知られています。文武の妻との間には岸田文雄が生まれ、さらに広島市や東京都といった地理的背景を持ちながら、岸田家は代々の影響力を維持しています。

彼の家族には、広島出身の祖父や父、兄弟も存在し、家族全体が政治やビジネスにおいて重要な役割を果たしてきました。岸田正記の人生は、単なる実業家や政治家としての側面だけでなく、広い人脈や家族の歴史によっても深い意味を持つものとなっています。

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