島村久

島村久（しまむら ひさし）は、嘉永3年2月18日（1850年3月31日）に生まれ、大正7年1月13日（1918年）に没した、日本の外交官です。備前岡山藩領、現在の岡山市中区にあたる場所に、島村文吾の長男として生を受けました。

初期の教育と学問

島村は、幼少の頃より学問に励み、池田茂政の右筆を務める傍ら、星島塾で漢籍を学びました。その後、山田方谷の門下生となり、陽明学を深く研究しました。方谷が閑谷学校に移ると、島村もそこに移り、研究を続けました。これらの学びは、後の彼の外交官としての活躍の基礎を築いたと言えるでしょう。

外交官としてのキャリア

1874年、島村は渡清し、天津領事館の書記生に任官されました。その後、1883年には京城臨時代理公使に昇進。翌1884年には、京城公使館内に設置された在京城領事館の初代領事に就任し、朝鮮半島における日本の権益保護に尽力しました。1892年にはニューヨーク総領事に任命され、アメリカにおける日本の外交活動を担いました。さらに、1897年には弁理公使、1898年には特命全権公使に任命され、外交官としてのキャリアを積み重ねていきました。その後、ホノルル総領事も務め、ハワイにおける日本の外交を担いました。

実業家としての転身

外交官を退官後、島村は実業界に転身し、鴻池財閥に入りました。鴻池銀行の理事や大阪倉庫の取締役などの要職を歴任し、その経営手腕を発揮しました。

親族

島村の妻は、本田親雄男爵の二女である米子です。また、長女のかつ子は波多野二郎子爵、二女のきみ子は鍋島陸郎男爵、三女の光は向山均男爵と、それぞれ名門の家系と婚姻関係を結びました。養女の清は、吉田苞の妹です。また、二男の島村環は名古屋大学名誉教授、横浜市立大学教授を務め、その岳父は実吉純郎です。

晩年と死後

島村は、1919年に正四位に叙せられました。その生涯は、外交官として、また実業家として、日本の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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