島松駅
島松駅は、北海道恵庭市島松仲町に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）および日本貨物鉄道（JR貨物）が管轄する千歳線の駅です。駅番号はH08が付与されており、電報略号は「ママ」が使用されています。かつては急行列車「ちとせ」や「えりも」の一部が停車した時代もありました。
島松駅の開設は、地域住民の強い要望と協力によって実現しました。当初、北海道鉄道（2代）の札幌線計画において、この地に駅を設ける予定はありませんでした。しかし、地元住民が土地と金銭を寄付し、熱心に嘆願した結果、駅の設置が決定しました。
駅は1926年（大正15年）8月21日、北海道鉄道の駅として開業しました。当初から旅客および貨物を扱う一般駅として機能しました。太平洋戦争中の1943年（昭和18年）8月1日には、北海道鉄道が戦時買収によって国有化され、鉄道省（後の国鉄）千歳線の駅となりました。
戦後、駅施設の改修も進み、1959年（昭和34年）3月には駅舎が改築されています。また、この頃から貨物輸送が活発化し、周辺施設への専用線が次々と敷設されました。1960年（昭和35年）5月には恵庭農協島松倉庫や貯炭場への専用線、1961年（昭和36年）頃には陸上自衛隊北海道地区補給処（現在の北海道補給処）への専用線が設けられました。さらに、1963年（昭和38年）には駅裏に日本石油札幌油槽所が開所し、ここへの専用線も重要な役割を担うことになります。
千歳線の近代化も進み、1966年（昭和41年）には双方向の複線化が完成しました。これに伴い、同年10月3日には新しいホームが設置され、12月26日には跨線橋も整備されています。
貨物取扱は徐々に縮小され、1980年（昭和55年）5月15日には専用線発着を除く車扱貨物の取り扱いが廃止されました。また、1984年（昭和59年）2月1日には荷物の取り扱いも廃止されています。国鉄分割民営化を経て、1987年（昭和62年）4月1日からはJR北海道とJR貨物の駅となりました。
1994年（平成6年）7月には、新千歳空港駅の開業に合わせた改良工事が行われ、4番線ホームが新設されました。しかし、貨物列車は1997年（平成9年）3月22日をもって運行を終了しています。
駅サービスの近代化も進み、1998年（平成10年）12月14日には自動改札機が導入され、2008年（平成20年）10月25日にはICカードKitacaの利用が可能となりました。
近年では、バリアフリー化と駅周辺整備の計画が進められました。2014年（平成26年）には恵庭市により東西自由通路や複合施設を伴う新駅舎の建設計画が発表されましたが、財政負担の増大を理由に2015年（平成27年）10月に白紙撤回されました。以後はバリアフリー化に特化した整備が進められることとなり、2019年（平成31年）2月には「話せる券売機」が設置されました。
バリアフリー対応工事の費用圧縮のため、2021年（令和3年）1月には4番線ホームの廃止とエレベーター台数削減を含む計画変更が行われました。これを受け、同年6月18日をもって4番線ホームが廃止されました。そして、2023年（令和5年）1月7日には、改札内にエレベーターが新設され、使用が開始されています。
駅名である「島松」は、この地の地名に由来します。その地名は、かつて流れていた島松川の旧名にちなむとされています。アイヌ語の「スマオマㇷ゚（suma-oma-p）」が原義であり、「石が・ある・もの（川）」という意味を持ちます。古い地図には「シママフ」や「シママッフ」といった表記も見られ、原義から音が変化し、「シュママㇷ゚」のように呼ばれていたと考えられています。
島松駅は地上駅構造で、駅舎に面した単式ホーム1面と、島式ホーム1面2線を有しています。駅構内の東側（白石方面に向かって右手）に駅舎があります。以前は単式ホーム（1番線、4番線）が島式ホーム（2番線、3番線）を挟む形で合計2面4線の構成でしたが、前述のバリアフリー化に伴い、2021年（令和3年）に4番線ホームは廃止され、現在はホームのない副本線となっています。駅舎に隣接する1番線が主に上り列車に使用される本線、島式ホームの外側にあたる3番線が下り列車に使用される本線として機能しています。
JR北海道の直営駅であり、駅窓口には「みどりの窓口」が設置されているほか、「話せる券売機」や自動改札機も導入されています。
JR貨物の駅としては、現在、車扱貨物の臨時取扱駅という位置づけになっています。定期的な貨物列車の発着は行われておらず、貨物用の設備や専用線も駅に接続していません。
過去には、1997年（平成9年）3月頃まで、駅の西側にあった日本石油札幌油槽所へ続く専用線が存在し、本輪西駅との間で石油輸送貨物列車が運行されていました。また、1970年代頃までは、陸上自衛隊島松駐屯地へ向かう専用線も存在しました。この専用線は、駅の北西で分岐した後、大きなカーブを描いて南方向へ進路を変え、駐屯地に至る逆U字形の経路を持っていました。この廃線跡の一部は、現在道路として利用されており、当時の名残を見ることができます。
駅周辺には、昔ながらの町並みが広がっています。主な施設としては、恵庭市役所島松支所、千歳警察署島松駐在所、島松郵便局、北海道信用金庫島松支店、JA道央の本所・恵庭支所などがあります。教育機関では北海道恵庭北高等学校が近くにあります。また、陸上自衛隊島松駐屯地も比較的近い場所に位置しており、過去には専用線で結ばれていました。駅前からは、えにわコミュニティバス（ecoバス）が運行されており、「JR島松駅」停留所が利用できます。
JR北海道 千歳線
恵み野駅 (H09) - 島松駅 (H08) - 北広島駅 (H07)
駅開設の経緯と歴史
島松駅の開設は、地域住民の強い要望と協力によって実現しました。当初、北海道鉄道（2代）の札幌線計画において、この地に駅を設ける予定はありませんでした。しかし、地元住民が土地と金銭を寄付し、熱心に嘆願した結果、駅の設置が決定しました。
駅は1926年（大正15年）8月21日、北海道鉄道の駅として開業しました。当初から旅客および貨物を扱う一般駅として機能しました。太平洋戦争中の1943年（昭和18年）8月1日には、北海道鉄道が戦時買収によって国有化され、鉄道省（後の国鉄）千歳線の駅となりました。
戦後、駅施設の改修も進み、1959年（昭和34年）3月には駅舎が改築されています。また、この頃から貨物輸送が活発化し、周辺施設への専用線が次々と敷設されました。1960年（昭和35年）5月には恵庭農協島松倉庫や貯炭場への専用線、1961年（昭和36年）頃には陸上自衛隊北海道地区補給処（現在の北海道補給処）への専用線が設けられました。さらに、1963年（昭和38年）には駅裏に日本石油札幌油槽所が開所し、ここへの専用線も重要な役割を担うことになります。
千歳線の近代化も進み、1966年（昭和41年）には双方向の複線化が完成しました。これに伴い、同年10月3日には新しいホームが設置され、12月26日には跨線橋も整備されています。
貨物取扱は徐々に縮小され、1980年（昭和55年）5月15日には専用線発着を除く車扱貨物の取り扱いが廃止されました。また、1984年（昭和59年）2月1日には荷物の取り扱いも廃止されています。国鉄分割民営化を経て、1987年（昭和62年）4月1日からはJR北海道とJR貨物の駅となりました。
1994年（平成6年）7月には、新千歳空港駅の開業に合わせた改良工事が行われ、4番線ホームが新設されました。しかし、貨物列車は1997年（平成9年）3月22日をもって運行を終了しています。
駅サービスの近代化も進み、1998年（平成10年）12月14日には自動改札機が導入され、2008年（平成20年）10月25日にはICカードKitacaの利用が可能となりました。
近年では、バリアフリー化と駅周辺整備の計画が進められました。2014年（平成26年）には恵庭市により東西自由通路や複合施設を伴う新駅舎の建設計画が発表されましたが、財政負担の増大を理由に2015年（平成27年）10月に白紙撤回されました。以後はバリアフリー化に特化した整備が進められることとなり、2019年（平成31年）2月には「話せる券売機」が設置されました。
バリアフリー対応工事の費用圧縮のため、2021年（令和3年）1月には4番線ホームの廃止とエレベーター台数削減を含む計画変更が行われました。これを受け、同年6月18日をもって4番線ホームが廃止されました。そして、2023年（令和5年）1月7日には、改札内にエレベーターが新設され、使用が開始されています。
駅名の由来
駅名である「島松」は、この地の地名に由来します。その地名は、かつて流れていた島松川の旧名にちなむとされています。アイヌ語の「スマオマㇷ゚（suma-oma-p）」が原義であり、「石が・ある・もの（川）」という意味を持ちます。古い地図には「シママフ」や「シママッフ」といった表記も見られ、原義から音が変化し、「シュママㇷ゚」のように呼ばれていたと考えられています。
駅構造
島松駅は地上駅構造で、駅舎に面した単式ホーム1面と、島式ホーム1面2線を有しています。駅構内の東側（白石方面に向かって右手）に駅舎があります。以前は単式ホーム（1番線、4番線）が島式ホーム（2番線、3番線）を挟む形で合計2面4線の構成でしたが、前述のバリアフリー化に伴い、2021年（令和3年）に4番線ホームは廃止され、現在はホームのない副本線となっています。駅舎に隣接する1番線が主に上り列車に使用される本線、島式ホームの外側にあたる3番線が下り列車に使用される本線として機能しています。
JR北海道の直営駅であり、駅窓口には「みどりの窓口」が設置されているほか、「話せる券売機」や自動改札機も導入されています。
貨物取扱の現状
JR貨物の駅としては、現在、車扱貨物の臨時取扱駅という位置づけになっています。定期的な貨物列車の発着は行われておらず、貨物用の設備や専用線も駅に接続していません。
過去には、1997年（平成9年）3月頃まで、駅の西側にあった日本石油札幌油槽所へ続く専用線が存在し、本輪西駅との間で石油輸送貨物列車が運行されていました。また、1970年代頃までは、陸上自衛隊島松駐屯地へ向かう専用線も存在しました。この専用線は、駅の北西で分岐した後、大きなカーブを描いて南方向へ進路を変え、駐屯地に至る逆U字形の経路を持っていました。この廃線跡の一部は、現在道路として利用されており、当時の名残を見ることができます。
駅周辺の状況
駅周辺には、昔ながらの町並みが広がっています。主な施設としては、恵庭市役所島松支所、千歳警察署島松駐在所、島松郵便局、北海道信用金庫島松支店、JA道央の本所・恵庭支所などがあります。教育機関では北海道恵庭北高等学校が近くにあります。また、陸上自衛隊島松駐屯地も比較的近い場所に位置しており、過去には専用線で結ばれていました。駅前からは、えにわコミュニティバス（ecoバス）が運行されており、「JR島松駅」停留所が利用できます。
隣駅
JR北海道 千歳線
恵み野駅 (H09) - 島松駅 (H08) - 北広島駅 (H07)
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。