島津久徴 (日置家)

島津久徴（しまづ ひさなが）

島津久徴は、江戸時代後期において薩摩藩の政治において重要な役割を果たした家老であり、島津庶家の日置島津家の第13代当主です。彼は、文政2年（1819年）に日置島津家の12代当主である島津久風の長男として誕生しました。久徴の父である久風は、当時の藩主である島津斉興の寵愛を受けていましたが、次期藩主を巡る相続問題が発生しました。

藩主選びとお由羅騒動

相続問題が議論される中で、久徴は斉興が推す庶子の忠教（後の久光）ではなく、嫡子である斉彬を支持しました。彼は実弟の赤山靭負、田尻務、桂久武と共に「日置派」を結成し、斉彬の擁立に奔走しました。特に、お由羅騒動の際には斉彬を藩主にするための活動が活発に行われ、その結果、斉彬は無事に藩主の座に就くことができました。

これにより、久徴は重用され、主席家老としての地位を得ました。しかし、斉彬の死後、彼は島津久宝と対立し、結果として主席家老の座を辞することになります。この際、大久保利通をはじめとする多くの人々が忠義である久徴を再び主席家老に戻すよう懇願し、彼はその希望を受けて復帰することができました。

公武合体論と退任

しかし、後に島津久光が提唱した公武合体論に反対したため、再びその地位を辞任することとなります。このように、久徴の政治人生は波乱に満ちており、彼の立ち位置は常に変化していました。

薩英戦争と晩年

文久3年（1863年）、薩英戦争が勃発すると、久徴は薩軍の総大将としての役割を果たすことになりました。この戦争は、藩の運命を大きく左右する重要な出来事であり、薩摩藩の強さを示す機会となりました。

明治時代に入ると、彼の位置づけにも変化が生じ、薩摩藩の政治や軍事において重要な指導者であった久徴も、時代の移り変わりには抗えず、激動の時代を生き抜きました。

最終的に、島津久徴は明治3年（1870年）に亡くなり、その享年は52歳でした。その生涯において、彼は薩摩藩の政治において重要な役割を果たし、家族や同時代の政治家たちとの関係を通じて、歴史の一翼を担った人物であったと言えるでしょう。

参考文献

• - 『島津歳久の自害（増補改訂版）』 74頁　”十三代島津久徴” （島津修久著　島津顕彰会、2000年10月）

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