島津久睦

島津久睦（しまづ ひさちか）は、元禄10年（1697年）に生まれ、正徳5年2月22日（1715年3月27日）に19歳の若さでこの世を去った、江戸時代中期の旗本寄合席です。彼は、佐土原藩主家島津氏の分家である島之内島津家の3代目当主であり、その短い生涯の中で、家督を継承し、その血筋を後世に繋ぎました。

久睦の幼名は堯麟坊（ぎょうりんぼう）、通称は主膳（しゅぜん）といいました。実父は佐土原藩主の島津惟久（しまづ これひさ）で、実母は側室の井上氏です。しかし、彼は、島津久武（しまづ ひさたけ）の養子となり、家を継ぐことになります。久武には実子が3人いましたが、いずれも早世したため、惟久の庶長子である久睦が養子として迎えられたのです。

佐土原藩主である島津忠雅（しまづ ただまさ）は、久睦の異母弟にあたります。これは、久睦の父である惟久が、異なる母を持つ複数の子をもうけていたことを示しています。

久睦は、正徳2年7月31日（1712年8月31日）に、初めて将軍徳川家宣（とくがわ いえのぶ）に御目見えを果たしました。これは、彼が公の場に登場し、その存在を認められたことを意味します。そして、正徳3年（1713年）には、実父である惟久の死去を受け、家督を相続しました。しかし、そのわずか2年後の正徳5年（1715年）に、19歳という若さで亡くなりました。

久睦には実子がいなかったため、家を継ぐ後継者が必要となりました。そこで、末期養子として、惟久の4男で久睦の同母弟にあたる久府（ひさもと、後の久芬（ひさもと））が跡を継ぐことになりました。久芬は、山城守（やましろのかみ）の官位を持ち、久睦の死後、島之内島津家を支えることになります。

久睦の法名は了覚（りょうかく）です。彼の短い生涯は、その血筋と家督相続を通じて、後の歴史に小さな足跡を残しました。


参考文献

『新訂寛政重修諸家譜 第2』（続群書類従完成会、1964年）
寛政重修諸家譜 巻第百九

これらの文献は、久睦の生涯や家系に関する詳細な情報を後世に伝える貴重な資料です。

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