島津久賢

島津久賢：華族政治家としての生涯

島津久賢は、明治14年（1881年）4月20日、旧人吉藩主・相良家の六男として誕生しました。幼名は基直。その後、加治木島津家の養子となり、明治29年（1896年）、家督を相続、島津家を継承することになります。明治30年（1897年）、養父である島津久宝の戊辰戦争における功績により、特旨で男爵位を叙爵されました。

錦城中学校を経て、明治39年（1906年）には早稲田大学政治経済科を卒業。さらに、明治42年（1909年）から明治43年（1910年）にかけてイギリスに留学し、政治学と法律学を研鑽しました。帰国後は、大正3年（1914年）6月、貴族院男爵議員補欠選挙に当選。公正会に所属し、政治活動に携わりました。貴族院議員としての活動は、大正14年（1925年）2月まで続きました。

政治活動以外にも、島津久賢は幅広い事業に関わっていました。護謨工業の代表、東京セルロイド取締役、京浜大和運河取締役など、複数の企業で要職を歴任しています。多様な分野で才能を発揮した、近代日本の実業家としての側面も持ち合わせていました。

私生活では、島津久宝と健夫妻の長女、直さんと結婚。養子には南部利克の四男である島津久英を迎えています。久賢の長女、澄さんは久英と結婚し、その子である義秀、そして曾孫の久崇へと、島津家は系譜を繋いでいきました。

大正15年（1926年）11月10日、東京府豊多摩郡千駄ヶ谷町原宿の自宅で療養中に死去。享年45歳でした。

島津久賢の足跡：要約

出自と家督相続: 旧人吉藩主相良家の出身、加治木島津家の養子となり家督相続、男爵を叙爵
教育と留学: 錦城中学校、早稲田大学政治経済科卒業、イギリス留学による政治学・法律学の研鑽
政治活動: 貴族院男爵議員としての活動（公正会所属）
事業活動: 護謨工業代表、東京セルロイド取締役、京浜大和運河取締役など幅広い事業への関与
家族: 島津直と結婚、養子に島津久英、子に澄、孫に義秀、曾孫に久崇
没: 大正15年（1926年）11月10日死去

参考文献

島津久賢の生涯を知る上で重要な史料として、以下のような文献が挙げられます。これらの文献は、島津久賢の人物像、活動内容、そして当時の社会情勢を理解する上で貴重な情報を提供しています。

人事興信所編『人事興信録 第7版』（人事興信所、1925年）
『貴族院要覧（丙）』（昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年）
『大正過去帳 物故人名辞典』（東京美術、1973年）
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』（大蔵省印刷局、1990年）
霞会館華族家系大成編輯委員会編『平成新修旧[[華族家系大成]] 上巻』（社団法人霞会館、1996年）
杉謙二編『華族畫報 下』（吉川弘文館、2011年）

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