島津忠広 (準三男家)

島津忠広（しまづ ただひろ）

島津忠広は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した薩摩藩士です。元和6年12月18日（1621年1月10日）に生まれ、元禄16年8月3日（1703年9月13日）に亡くなりました。島津氏の分家である島津準三男家の祖であり、藩主・島津家久の五男として生まれました。母は鎌田播磨政重の娘です。

幼名は宝寿、通称は市正といい、後に剃髪して万山と号しました。初めは島津義弘の長女の所領を相続し、島津朝久の次男として扱われましたが、延宝5年（1677年）に異母兄の光久によって、朝久の家から離れ、加治木島津家の祖で同母兄である忠朗を次男家とした場合の三男家に準じた扱いとなりました。そのため、忠広の家は準三男家と呼ばれています。

生涯

忠広は、初め島津義弘の長女の所領を相続し、島津朝久の次男として扱われていました。しかし、異母兄である光久の命により、朝久の家を離れることになります。これは、加治木島津家の祖である同母兄・忠朗を次男家と見なした場合の、三男家に準じた扱いとするためでした。この結果、忠広の家は「準三男家」と称されることになります。

忠広は、示現流剣術家師範家の東郷氏が所有していた屋敷（現在の鹿児島市山下町）の隣接地を取得しました。この土地は、もともと帰化した中国人藩士の屋敷があった場所です。後に、この土地は小松家の所有となりました。

万治2年の「鹿府万治高帳」には、「高 1553石8斗 家久公御子 島津東市正忠広」と記録されており、1553石8斗の知行を有していたことがわかります。

子孫

忠広の孫娘は、平田正房や肝付兼柄に嫁ぎました。特に、正房に嫁いだ孫娘は、平田靱負の母となります。

参考文献

「島津氏正統系図」
「鹿児島県史料 旧記雑録追録1」

島津忠広は、薩摩藩における分家の一つである準三男家の祖として、その後の歴史に影響を与えた人物です。彼の生涯は、当時の藩内における複雑な家督相続や、それに伴う人間関係を物語っています。また、子孫を通じて、薩摩藩の歴史に深く関わっていくことになります。

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