島田利正

島田 利正（しまだ としまさ）

島田利正は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活動した武将で、旗本として知られています。彼は江戸町奉行としても重要な役割を果たしました。特に、2代目南町奉行として市政の制度化に貢献したことで名を馳せています。彼は島田重次の五番目の息子として誕生しました。

略歴

利正は、三河国矢作城にて父の管理下で生まれました。父と同様、徳川秀忠に仕官し、小田原征伐や関ヶ原の戦いにおいて重要な戦功をあげ、戦史に名を刻むこととなります。関東に入府した後、彼は慶長18年から寛永8年まで江戸南町奉行を務め、その期間にわたって江戸の市政制度の整備に尽力しました。特に、最上騒動の際には幕府の使者として活躍し、その業績により、従五位下の弾正忠に任命されました。彼は武蔵国の入間郡や比企郡において5千石を領有し、知恵と策略で知られる人物でした。

興味深いことに、利正は五男でありながら、父の所領を相続することになりました。その背景には、寛永14年に父が93歳で亡くなった際、長兄がすでに他界しており、他の兄たちは別家を興していたため、利正にその役割が回ってきたということがあります。彼の人生においては、草津温泉での湯治計画もありましたが、その際、草津温泉の効能に詳しい真田信之の手助けを得たという逸話があります。

また、日光東照宮の建設に際しては、「先に豊国神社を修理した方が、徳川家にとって良い結果をもたらす」といった意見を述べたことでも知られていますが、残念ながらその意見は実行には移されませんでした。

弾正橋

江戸南町奉行を務めていた時期には、現在の北八丁堀あたりに屋敷を構えていました。この近くにある楓川に架かる橋は、利正の官名に基づいて弾正橋と呼ばれました。明暦の大火の後、島田家の屋敷は湯島に移しましたが、弾正橋の名称はそのまま存続しました。その後、何度か架替えが行われましたが、明治時代初期に国産初の鉄橋として再建されたものが現在の江東区の富岡八幡宮近くに移築され、八幡橋と名付けられています。

このように、島田利正はその政策と選択で、江戸の市政だけでなく、地域の歴史にも深く関与した人物であり、その名は今なお多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索