島田蕃根

島田蕃根（しまだ ばんこん/みつね）とは

島田蕃根は、文政10年11月8日（1827年12月25日）に生まれ、明治40年（1907年）9月2日に没した、幕末から明治時代にかけて活躍した僧侶であり、仏教学者です。法名は円真、如縄道人などの別名も持ちます。

生涯

周防の徳山（現在の山口県周南市）で、役藍泉（島田浄観）の孫として生まれました。幼少の頃から徳山藩に仕え、儒教や神道など、宗教に関する幅広い知識を身につけました。その後、天台宗本山派修験道教学院の住職となり、僧侶としての道を歩み始めます。

藩主の命により上洛し、興譲館で教鞭を執り、勤皇思想を唱えました。明治維新後、1872年（明治5年）には廃藩置県に関わるため還俗し、福田行誡や獅岳快猛らと共に『大蔵経』の編纂に携わりました。また、教部省や内務省内の社寺局などにも勤務し、仏教の興隆に尽力しました。晩年は、育児院の設立や聖徳太子建立の寺院の支援にも関わっています。墓所は青山霊園にあります。

主な業績

島田蕃根の主な業績としては、以下のものが挙げられます。

『縮刷大蔵経（大日本校訂縮刻大蔵経）』の刊行: 高麗版を参考に活字で編纂されたもので、仏教研究に大きく貢献しました。この書は、略して「縮刷蔵」や「縮蔵」とも呼ばれます。
教育者としての活動: 興譲館で教鞭を執り、勤皇思想を広めました。
行政官としての活動: 教部省や内務省の社寺局で勤務し、仏教界の発展に尽力しました。
社会事業への貢献: 育児院の設立や寺院の支援など、社会福祉にも貢献しました。

人物像

島田蕃根は、仏教者としての深い知識と高い見識を持ちながら、教育者、行政官、社会事業家としても幅広く活躍した人物です。その功績は、仏教界だけでなく、日本の近代化にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

まとめ

島田蕃根は、幕末から明治にかけて、仏教界の発展に大きく貢献した人物です。僧侶、教育者、官僚、社会事業家として多方面で活躍し、その功績は今日でも高く評価されています。特に『縮刷大蔵経』の編纂は、仏教研究に不可欠なものとして、現代にまでその影響を残しています。

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