崇聖寺三塔

崇聖寺三塔

崇聖寺三塔（すうせいじさんとう）は、中国の雲南省大理市の郊外に位置しており、正三角形に配置された三つの仏塔から成る名所です。この塔群は南詔王国の時代、すなわち9世紀から10世紀にかけて建設されました。大理古城から北へ約1.5km、洱海の西側、そして蒼山山脈の北から10番目の峰（応楽峰）のふもとにあります。

構造

崇聖寺三塔は、主にレンガで作られ、白泥で覆われた美しい外観を持っています。三つの塔は対称的に配置されており、その優雅さと荘厳さが際立っています。この独特のデザインは、中国古代の仏教建築の中でも特に目を引くもので、大理に訪れる観光客にとって人気のスポットとなっています。三塔は遠くからも視認でき、大理市のシンボルともいえる存在です。また、国の重要文物として保護され、中国の5A級観光地にも認定されています。

主塔の千尋塔は823年から840年の間に南詔王、勧豊祐によって建設されたと言われ、高さは69.6mに達します。これは、中国史においても非常に高い仏塔の一つです。千尋塔は四角形の十六層構造であり、各層の中心面には仏龕が彫られ、白い大理石の仏像が安置されています。第一層から八層までの塔身は中空であり、3.3mの厚い壁で囲まれています。1978年の修復作業では、内部から金・銀・水晶などで作られた像や仏典など、700点を超える仏教遺品が発見されました。設計は唐の首都、長安（現・西安）から来た職人によるもので、小雁塔に似たスタイルが用いられていますが、千尋塔の方が百年新しい建築です。

残る2つの塔は千尋塔と比較して100年ほど遅れて建設され、それぞれ千尋塔の北西と南西に位置しています。高さは42.19mで、八角形を呈し、十層からなっています。これらの塔も各層の中心に仏龕が設けられています。また、塔の背後には聚影池があり、池面に映る三塔の美しい姿が観光客を魅了しています。

歴史

地元の伝説によると、大理はかつて竜が住む場所であり、自然災害を引き起こすことで人を排除しようとしていたと言われています。このため、三塔は竜を鎮めるために建立されたとされています。また、崇聖寺三塔はその堅牢さでも有名で、千年以上の歴史の中で数回の自然災害や人為的な被害に遭っています。元々、崇聖寺（三塔寺とも）は千尋塔と同時期に建設され、大理国の王室の菩提寺でもありましたが、清の時代に発生した火災で寺は破壊され、塔だけが残ったのです（崇聖寺は2005年に再建されました）。

明の時代に起こった地震では千尋塔に亀裂が入ったものの、余震の際に奇跡的に元に戻るという記録が残っています。また、1925年の大理大地震では、大理市内の多くの建物が壊れた中で、三塔だけは無傷でした。千尋塔は唐の開成年間（836-840年）の間に建設されたと考えられ、1979年の修復時には以前の修復年を記した3つの銅板が発見されるなど、長い歴史を持つ建築物であることが証明されています。

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