崑崙山脈

崑崙山脈

崑崙山脈（こんろんさんみゃく、クンルンシャンマイ）は、中央アジアに位置する雄大な山脈です。東西約3000kmにわたり、パミール高原から中国西部の国境を南に走り、その後東に折れてチベット北部の境界を形成しています。標高6000mを超える200以上の高山が連なり、その壮大な景観は見る者を圧倒します。

地理

崑崙山脈は、新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠南縁に位置し、チベット高原の北部に広がっています。山脈の麓には、タリム盆地南端を東西に走る「西域南道」が通っており、この道沿いには崑崙山脈の氷河を水源とする内陸河川を利用したオアシス都市（ホータン、ヤルカンドなど）が点在しています。これらのオアシス都市は、古くからシルクロードの重要な拠点として栄えてきました。

山々

山脈最高峰は、中央部に位置するムズタグ山（7,723m）です。その他にも、コングール山（7,649m）、ムスタグアタ山（7,546m）などの著名な山々が聳え立っています。また、青蔵鉄道からもその氷河を望むことができる玉珠峰（6,178m）は、多くの登山家や旅行者にとって魅力的な存在です。これらの山々は、その雄大な姿で訪れる人々を魅了します。

地質と自然

崑崙山脈一帯は、ユネスコ世界ジオパークに指定されており、その地質学的価値と自然の美しさが認められています。この地域は、多様な地形と植生を有し、貴重な動植物が生息しています。氷河や万年雪、高山植物など、手つかずの自然が残されています。

歴史的・文化的意義

中国史家の松本善海は、中国には北と南の二つの異なる文化圏が存在するとし、その境界線を崑崙山脈から東に連なる一連の山系（秦嶺山脈、伏牛山、大別山脈）としています。この山系の北側は乾燥した気候で畑作が中心、人々は長身で面長である一方、南側は湿潤な気候で米作が中心、人々は低身長で丸顔が多いとされます。このように、崑崙山脈は地理的な境界線であるだけでなく、文化的な境界線としても重要な役割を果たしています。

探検記

崑崙山脈は、その奥深い地形と厳しい自然環境から、古くから多くの探検家たちの関心を集めてきました。以下に、この地域の探検記をいくつか紹介します。

周正『崑崙の秘境探険記』（田村達弥訳、中公新書, 1986年）
大場秀章『秘境・崑崙を行く』（岩波新書, 1989年）
* 『遥かなり秘境可可西里』（松本征夫編、日本放送出版協会, 1999年）

これらの探検記は、崑崙山脈の秘境を垣間見ることができる貴重な記録です。特に、『遥かなり秘境可可西里』は、日中合同学術探検隊による記録であり、この地域に関する詳細な情報を提供しています。

まとめ

崑崙山脈は、その雄大な自然、多様な地形、歴史的・文化的背景において、非常に魅力的な場所です。この山脈は、単なる地理的な存在にとどまらず、人々の生活や文化にも深く影響を与えてきました。その美しさ、雄大さ、そして秘境としての魅力は、今後も多くの人々を惹きつけ続けるでしょう。

この山脈は、その雄大な姿で訪れる人々を魅了し、その歴史と文化は、多くの物語を語り継いでいます。崑崙山脈は、まさに中央アジアの象徴とも言える存在です。

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