崔庸健

崔庸健について

崔庸健（さい・ようけん、チェ・ヨンゴン、1900年6月21日 - 1976年9月19日）は、朝鮮半島の独立運動家および北朝鮮の政治家であり、彼の業績は朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の初期の発展に大きく寄与しました。彼の地位は、初代朝鮮人民軍最高司令官や初代民族保衛相としての役割を含み、また第2代最高人民会議常任委員会委員長として国家元首としての務めを果たしました。

彼は、1900年に平安北道塩州郡の農家で生まれました。若い頃には五山学校に入学しましたが、途中で中退します。その後、1919年には中国へ渡り、南開大学で学び続けました。1922年には雲南陸軍講武堂に転入し、国民革命軍に加わることで軍の道へ進みました。1925年には、訓練隊長として黄埔軍官学校に参加し、中国共産党に入党。この間に北伐に参加し、その後も活発に活動を続けました。

1936年に抗日パルチザンとして活動する中で、崔は重要な指導者となり、また金日成と合流して1945年に朝鮮へ帰国する際には、金日成が朝鮮人民軍の最高司令官に就任する際に彼のもとで重要な役割を果たすこととなります。

1946年の北朝鮮臨時人民委員会設立後、崔は軍事部門の指導者となり、その後もさまざまな重要な役職を歴任しました。1948年に朝鮮人民軍が創設されると、初代最高司令官として軍を指導し、戦後の北朝鮮の軍事力拡大に寄与しました。

彼の政治キャリアはその後も続き、1950年からの朝鮮戦争では金日成の副司令官として戦争の指導にあたります。国家元首としての役割を果たしながらも、彼は金日成の指導スタイルには批判的であり、軍の指導者としての威信を保つ一方で、金日成との政治的な意見の相違があったことも知られています。

1956年には党の内部での葛藤が続く中、彼は幹部問題に関して金日成とは異なる意見を表明し、その結果、政治的な立場が揺らぐ場面もありました。特に、金日成が粛清を進める際には彼は反対意見を表明し、結果として彼自身が危機に陥ることがあります。

崔は1972年に国家副主席に任命されてからも続けて政治活動を行い、1976年に病気で亡くなるまで、彼の影響力は続いていました。彼は主に見かけ以上に誠実で思いやりがあり、部下の福利を常に気にかけていたと言われています。表面的には厳格に見える一方で、彼には親しみやすい一面もあったとされています。印象としては、「見かけは立派だが、頭脳は鈍重」とも評されており、演説の技術に関しては批判がありました。

崔庸健の家族については、彼の妻が中国人であり、朝鮮語が流暢だったとされています。子供の中には朝鮮社会民主党の党首であるチェ・ウンジュがいます。

彼の人生や政治活動については複数の著作があり、特に彼の影響力や立場についての研究が進められています。崔庸健の存在は、北朝鮮における初期の独立や抗日戦争の成功において、重要な役割を果たしたと見るべきでしょう。彼が築いた軍事力や政治権威は、北朝鮮の歴史において忘れてはならないものとなっています。

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