嵯峨 (砲艦)

嵯峨 (さが) - 日本海軍の砲艦

概要

嵯峨は、日本海軍に所属していた砲艦であり、艦名は京都の名勝「嵯峨」に由来しています。1912年（明治45年）に竣工し、日露戦争後の中南支方面での警備を目的として設計されました。前任艦「宇治」の居住性や兵装、速力に関する問題点を改善し、さらに旗艦任務を遂行する能力を持つように設計されたことで、他の河用砲艦とは一線を画す存在として注目されました。また、純粋な河用砲艦とは異なり、一部航洋性を備えており、沿岸部の警備にも対応可能でした。太平洋戦争が開戦する頃には艦齢が30年に達しており、参加艦艇の中で最も古参の艦でもありました。

艦型

艦は船首楼型の高い乾舷を特徴としており、通信能力を向上させるために、メイン・マストは高く設計されています。また、無線マストも艦首旗竿付近に装備され、艦の通信機能を充実させています。

機関

嵯峨の機関は佐世保海軍工廠で製造されており、艦本式缶を2基、直立3気筒3段レシプロエンジンを2基搭載しています。ボイラーの蒸気圧力は180 psiに設定されており、2軸推進方式で、計画出力は1,600馬力に達します。

兵装

竣工当初の兵装は、以下の通りです。

• - 40口径4.7インチ（12cm）砲 1門
• - 40口径3インチ砲 3門
• - 麻式6.5mm機銃 3挺

これらの砲は異なる位置に配置され、戦闘時の多様な対応能力を持っていました。

艦歴

1898年に建造計画が始まり、1911年6月に起工、1912年の11月に竣工しました。竣工日は南清警備任務に従事するための重要な日でもありました。嵯峨はすぐに第三艦隊に編入され、以後中国の警備やさまざまな任務を遂行していきます。

戦闘歴

第一次世界大戦中は日本の艦隊として特に中国海域で活動し、1942年には第二遣支艦隊に所属しました。太平洋戦争が始まると、香港を拠点に多くの任務に従事しましたが、1943年に触雷して沈没し、その後は残存艦として修理されました。しかし、1945年には修理中に爆撃を受けて大破し、最終的には除籍されることとなります。

歴代艦長

嵯峨には多くの艦長が歴任し、その中には菅沼周次郎、横地錠二、黒田勇吉などが名を連ねています。このように長い運用歴の中で、多くの艦長が嵯峨を指揮し、その運命を共にしました。

まとめ

嵯峨は、日本海軍の中で重要な役割を果たした艦船であり、その設計や任務の多様性から多くの歴史を刻んできました。多くの艦長が指揮し、数々の戦闘と任務を遂行したことで、その歴史は深く海軍の中に根付いています。

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