嶺東線

嶺東本線（ヨンドンほんせん）

嶺東本線は、大韓民国の慶尚北道栄州市に位置する栄州駅から江原特別自治道江陵市の青良信号所までを結ぶ、韓国鉄道公社（KORAIL）が運営する鉄道路線です。この路線は、約149kmの山岳地帯を越える区間と、約41kmの日本海に沿う区間に分かれています。1962年に全線が完成し、韓国東部の発展を促す役割を担ってきました。

概要

この鉄道の魅力は、風光明媚な景色にあります。山を越える区間は特に美しく、ドラマ『砂時計』などの撮影にも利用されました。嶺東本線では、主にムグンファ号とヌリロの定期列車が運行されています。多くの列車は東栢山駅を経由し、太白線や中央線を通ってソウルの清凉里駅に至ります。

また、週末には釜山行きや汾川行きの列車も運行されており、観光目的での利用も盛んです。特定の日には、観光列車「V-train」も運行されており、観光客に喜ばれています。2005年には全線の電化が完了し、これにより直通運転が可能となりました。

将来的な計画としては、ロシアなどが推進するシベリア鉄道との接続が挙げられています。この計画には、江陵駅から北朝鮮の金剛山青年駅までを結ぶ東海北部線の敷設や、東海駅から浦項駅までを結ぶ路線の整備が含まれます。

山越え区間

嶺東本線の中でも特に注目すべきは、太白山脈を通過する区間です。この東栢山から道渓の間には連続した勾配が存在し、鉄道運営上の難所となっていました。この勾配を緩和するために、オメガカーブ線が設けられ、途中の駅はスイッチバック駅として運営されていました。これらは珍しい施設として、特に鉄道ファンの間で人気を集めていました。

しかし、2006年にはソラントンネルが開通し、これによって路線が短縮され、旧線は廃止され、新たに観光鉄道として「ハイワンチュチュパーク」として活用されています。

歴史

嶺東本線は1940年に三陟鉄道として開業し、1955年には栄岩線としての運営が始まりました。1963年に現在の名前に改称され、1975年に一部区間が電化された後も、さまざまな変遷を経てきました。特に2018年には青良信号所の開設に伴い、江陵駅が終点から変更され、さらなる近代化が進められました。

2020年にはKTX江陵線の運行が開始され、漁港や観光地にアクセスするための重要な役割を果たしています。また、嶺東本線は南北の鉄道整備が進む中で、韓国国内における交通網の一部としても認識されています。

駅一覧と廃駅

嶺東本線には多くの駅があり、主要駅のほかにもいくつかの廃駅が存在します。特に平陵駅や詩洞駅などは、過去に重要な拠点でしたが、現在は廃止されています。現在でも多くの駅が利用されており、地域住民や観光客にとってなくてはならない交通手段となっているのです。

こうした歴史的な経緯や風景を楽しめる嶺東本線は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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