川内町 (青森県)

川内町（かわうちまち）

川内町は、かつて青森県下北半島の中央部に位置し、陸奥湾に面していた町です。2005年3月14日に隣接するむつ市に編入され、その歴史に幕を閉じました。ここでは、川内町の地理、歴史、産業、文化について詳しく解説します。

地理

川内町は、下北半島の中央部に位置し、町の面積の多くは山地が占めていました。北部は恐山山地を構成する山々が連なり、海岸線沿いの平野部と川内川沿いに集落が点在していました。主な集落としては、戸沢、田野沢、川内、葛沢、桧川、宿野部、蠣崎などが挙げられます。気候は下北半島の中では比較的穏やかでした。

主な山：

円山 (807m)
朝比奈岳 (874m)
石山 (504m)
縫道石山 (626m)
袴腰山 (622m)
がん倉山 (726m)
於法岳 (533m)
秋山 (631m)
八郎岳 (598m)
天狗森 (536m)

主な河川：

戸沢川
田野沢川
高野川
熊野川
川内川
葛沢川
桧川
宿野部川
目倉川
男川

湖：

かわうち湖（川内ダムによって作られた人造湖）

歴史

鎌倉時代には津軽安藤氏、その後は南部氏の支配下に入りました。江戸時代には、田名部七湊の一つである川内湊として北前船交易が盛んに行われ、蝦夷地や上方との間で木材や海産物が取引されました。大正時代には安部城銅山が栄えましたが、20世紀前半に閉山し、人口が減少しました。

1889年（明治22年）：川内村、桧川村、宿野部村、蠣崎村が合併し、川内村が誕生。
1917年（大正6年）：町制施行により川内町となる。
2005年（平成17年）：むつ市に編入。

行政

最後の町長は菊池繁安氏でした。町議会は議員定数16名で構成されていました。

経済

かつては林業と漁業が中心でしたが、鉱業、近年では半農半漁と観光が主な産業となっています。

農業：稲作やダイコン、馬鈴薯などの畑作、高原野菜の生産が行われています。
林業：青森ヒバ、ヒノキ、スギなどが産出。
観光：川内川渓谷、かわうち湖、湯野川温泉などが観光スポットとなっています。
漁業：ホタテ、ナマコ、アカガイ、ツブガイ、カレイ類などが水揚げされます。

文化

川内町には、川内川渓谷や湯野川温泉などの自然豊かな観光スポットがあり、川内八幡宮例大祭や川内ねぶたなどの伝統的な祭りが開催されていました。また、けいらん、品川汁、豆しどき、タラのじゃっぱ汁、イカ寿司、味噌貝焼きなどのご当地料理も存在します。

教育

町内にはかつて青森県立川内高等学校がありましたが、2008年に統合され、2021年に廃校となりました。中学校は第一川内中学校に統合され、小学校も各校が統合され川内小学校となりました。

交通

町内を鉄道路線は通っていません。かつては森林鉄道がありましたが廃止されました。路線バスや道路が交通手段として利用されていました。

名所・旧跡・観光スポット

下北半島国定公園
湯野川温泉
川内川渓谷
川内ダム及びかわうち湖
道の駅かわうち湖
野平高原
安部城鉱山跡
蛎崎城跡

出身有名人

中川五郎治（種痘の先駆者）
堀川乗経（亀田川の治水工事）
藤崎竜（漫画家）
田中忠三郎（民族民具研究家）
* 岩崎藤三郎（マタギ名人）

川内町は、むつ市に編入されましたが、その豊かな自然、歴史、文化は今も人々の記憶に刻まれています。

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