縫道石山

縫道石山（ぬいどういしやま）

縫道石山は、青森県下北半島に位置する標高626メートルの山です。その山頂の一部は佐井村に属しており、優れた山容から東北百名山の一つに選ばれています。

登山ルート

縫道石山への登山道は、野平林道と福浦港からの福浦林道が接続する峠から始まります。登山口の標高は約350メートルと比較的低いものの、そこには美しいブナ林が広がっており、登山者はその林の隅から入っていきます。

歩き始めて10分ほどで、道はオシダが茂る杉林へと変わります。最初は緩やかな登りですが、次第に下りとなり、鞍部で野平分岐に突き当たります。そこを左に曲がり、数歩進むと福浦分岐に着きます。ここを右に曲がると、杉林からヒバやブナなどが生い茂る林へと変わり、高度を上げていきます。

やがて、道はヒバ樹林の急な尾根となり、巨大な岩が左右に見られるようになります。ロープを使いながら慎重に登っていくと、広々としたテーブル状の山頂に到着します。

縫道石山展望台（ババ岩）とジジ岩

登山道の途中を少し戻ると、標高454メートルの縫道石山展望台（通称「ババ岩」）があります。また、ババ岩の北西には、同程度の標高の通称「ジジ岩」もあります。

ババ岩の内部には洞窟があり、「胎内巡り」を体験することができます。

オオウラヒダイワタケ

縫道石山は、1956年にオオウラヒダイワタケが発見された場所としても知られています。この地衣類はアリューシャン列島でも見られますが、日本では縫道石山でのみ確認されています。オオウラヒダイワタケは、氷河時代の生き残りと考えられており、非常に貴重な存在です。

当初、オオウラヒダイワタケはひそかに保護されていましたが、近くのヒバ林の伐採やロッククライミングの練習場としての利用などにより、生育環境が変化し、危機に瀕しました。

そのため、1976年に「縫道石山・縫道石の特殊植物群落」として天然記念物に指定され、保護されることになりました。

「縫道」の由来

山名の由来には諸説あります。「ぬいどう」というこの地方の方言でナメコを探ることができる山であるという説や、山容が入道のように見えるという説などがあります。

参考文献

『東北百名山地図帳』山と渓谷社

関連項目

青森県の観光地

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