川南町

川南町（かわみなみちょう）

宮崎県の中央部に位置する川南町は、児湯郡に属する町です。日本三大開拓地の一つとして知られ、その歴史と豊かな自然が魅力です。

地理

川南町は、宮崎平野の北部に位置し、東は日向灘に面しています。町の西側には尾鈴山地が広がり、その他の地域は河成段丘が海岸線まで続いています。町の中心部には平田川が流れ、北端には名貫川が流れています。町名の由来は、この名貫川の南に位置することからきています。

年間降水量は約2,400mm、年間日照時間は約2,100時間と、気候条件は恵まれています。しかし、降水量が梅雨や台風の時期に集中するため、春や夏は乾燥した状態が続きます。そのため、町内の丘陵地は長年未開発の原野でした。

また、南海トラフ巨大地震発生時には、最大11mの津波が沿岸部に到達すると予測されており、防災対策が重要な課題となっています。

中心市街地は「トロントロン」という愛称で呼ばれています。この名前の由来には二つの説があり、一つは西南戦争で敗走する西郷隆盛一行がぬかるんだ地面を「トロントロン」と言ったとする説、もう一つは湧き水の音が「タランタラン（トロントロン）」と聞こえたとする説です。

隣接する自治体は、児湯郡の高鍋町、都農町、木城[[町]]です。

歴史

川南町は、かつて水不足で耕作に適さない丘陵地が広がっていました。江戸時代から小規模な新田開発が行われていましたが、本格的な開拓は明治時代以降になります。高鍋藩士による用水路の建設や、県内外からの入植者による大規模農場開発が行われましたが、多くは未開拓のままでした。

1911年に宮崎県知事によって川南原の開発事業が計画され、1927年には国による大規模開墾計画が策定されました。しかし、全国からの希望者が殺到し、選定が難航。1938年にようやく「川南原国営開墾事業」が開始されましたが、1944年に太平洋戦争の激化により中止となりました。

戦時中には、軍馬育成所や空挺部隊の練習場が設置され、広大な土地が軍用地として利用されました。このことが、開拓の遅れをもたらす要因となりました。

戦後、食糧増産と復員軍人の雇用確保のため、川南原は国営開拓事業地区となり、全国各地から多くの人々が集まりました。厳しい環境の中、開拓に従事し、1949年には昭和天皇もこの地を訪れました。開拓者の出身地が全都道府県に及んだことから、「川南合衆国」と呼ばれるほど多様な人々が集まりました。

しかし、水不足、火山灰土壌、過剰入植などの問題も多く、離農する人も少なくありませんでした。川南原は、青森県の三本木原、福島県の白河矢吹と並び、日本三大開拓地として知られています。現在は畜産が盛んな地域となっています。2010年の口蹄疫では大きな被害を受けましたが、復興が進められています。

近現代

1889年：町村制施行により児湯郡川南村が発足。
1941年：日本陸軍により空挺落下傘部隊が創設され、訓練地となる。現在も記念碑や給水塔が残る。
1953年：町制施行。

町政

町長は不在（2024年7月時点）です。

国政・県政

衆議院議員選挙では宮崎2区に属し、県議会議員選挙では近隣の自治体と選挙区を構成しています。

公共機関

九州農政局尾鈴農業水利事業所や独立行政法人国立病院機構宮崎病院などの公共機関があります。

経済

川南町では、広大な台地を利用した畜産を中心とした農業が盛んです。特に豚の生産は全国でも上位に位置しています。また、町内には県内最大の面積を誇る塩付工業団地があり、宮崎県農協果汁(サンA)や児湯食鳥などの企業が拠点を置いています。これらの企業は地域経済を支える重要な役割を担っています。

産業人口は、第一次産業が34.8%、第二次産業が22.3%、第三次産業が42.9%となっています（2000年国勢調査）。

畜産

畜産の生産額は農業粗生産額の約7割を占めており、特に豚は全国有数の生産量を誇ります。しかし、2010年には口蹄疫の流行により、畜産業に大きな打撃を受けました。

主な企業としては、宮崎県農協果汁、児湯食鳥、中川機器製作所宮崎工場、村田製菓、九州大真空などが挙げられます。

姉妹都市・提携都市

国内では、青森県の十和田市、福島県の矢吹町と姉妹都市提携を結んでおり、日本三大開拓地友好協定を締結しています。

地域

地元学と称した地域研究が盛んに行われ、地域活性化に取り組んでいます。

健康

平均年齢は43.0歳（2000年国勢調査）です。

人口

詳細な人口データはここでは割愛します。

教育

町内には、中学校2校と小学校5校があります。

交通

鉄道は、JR日豊本線が通り、川南駅があります。路線バスは、三和交通が運行しており、町内や近隣地域を結んでいます。また、予約制の乗合タクシー「トロントロンバス」や、川南駅と中心部を結ぶシャトルバスも運行されています。

高速道路は、東九州自動車道が近くを通っていますが、インターチェンジは町内にはなく、近隣の高鍋インターチェンジか都農インターチェンジが利用されています。

空港は宮崎ブーゲンビリア空港が最寄りで、川南駅と宮崎空港駅の間には直通の普通列車が運行されています。

名所・旧跡・観光スポット

青鹿キャンプ場
伊倉浜自然公園
川南湿原
宗麟原供養塔
川南古墳群
かわみなみPLATZ

祭事・催事

天竜梅まつり（2月）
ザ・フェスティバル・イン・トロントロン（8月）
川南トロントロン軽トラ市（毎月第4日曜日）
かわみなみ電飾大作戦
川南合衆国 ウェスタンカーニバル
川南護国神社秋季大祭（11月23日）

その他

川南町総合運動公園

川南町出身の有名人

永友一美（元宮崎県議会議員）
宮沢厚（アニマルトレーナー）
永田大士（プロボクサー）
河野雄一（フジテレビ取締役）
小山泰文（柔道家）
千代の花秀貴（弓取り力士）
前田陽介（プロバスケットボール選手）
中谷一馬（衆議院議員）
福島竜弥（プロサッカー選手）

川南町にゆかりのある人物

阿久悠（両親が川南町出身）
ずん'>[やす]（隣の高鍋町出身で、実家は川南町）

参考文献

川南町『川南町史』1983年
市[[町村]]別・項目別ランキング 農業編 農林水産省公式ウェブサイト

脚注

詳細な脚注はここでは割愛します。

外部リンク

公式ウェブサイト
町商工会'>川南町商工会
ウィキトラベルには、川南町に関する旅行ガイドがあります。'>ウィキトラベル
町に関連する地理データ - オープンストリートマップ'>オープンストリートマップ
Google マップ'>Google マップ

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