川口大助

川口 大助（かわぐち だいすけ）

川口 大助は、日本の政治家です。1918年3月5日に秋田県河辺郡新屋町（現在の秋田市の一部）で生を受けました。秋田県の地方政治から国政へと活動の場を移し、秋田市長を3期、衆議院議員を3期務めるなど、多岐にわたる公職を歴任しました。1981年2月26日に62歳で逝去。

初期キャリアと政治活動への参加

旧制秋田中学を卒業後、川口氏は日本国有鉄道（国鉄）に入職しました。国鉄職員として働く傍ら、労働組合運動にも深く関わり、国鉄労働組合秋田地方本部の委員長を務めるなど、組合活動を通じて組織運営や人々の生活に触れる経験を積みました。この時期の経験が、その後の政治家としての活動の礎となったと考えられます。

秋田県政および秋田市長としての活躍

国鉄を退職後、川口氏は秋田県議会議員選挙に立候補し、当選を果たしました。県議として地方政治の場で活動する中で、日本社会党秋田県本部の書記長、そして顧問を歴任し、党組織の強化や政策立案に貢献しました。地方政界での地盤を固めた後、1959年には秋田市長選挙に日本社会党公認候補として出馬。この選挙で初当選を飾り、以来連続して当選を重ね、合計3期12年にわたり秋田市政の舵取りを担いました。市長在任中には、秋田市の発展に向けた様々な政策を推進したとされています。しかし、1971年の市長選挙では、保守陣営から立候補した荻原麟次郎氏に敗れ、市長の職を退くこととなりました。

国政への進出と晩年

秋田市長退任後、川口氏は活動の場を国政へと移しました。1976年の第34回衆議院議員総選挙において、秋田1区から日本社会党公認で立候補し、激戦を制して初めての衆議院議員当選を果たしました。衆議院議員としても、地方での経験を活かし、国政の場で秋田県や地方の利益のために活動しました。1979年には秋田県知事選挙への挑戦も試みましたが、この時は当選には至りませんでした。しかし、同年に行われた第35回衆議院議員総選挙では再び秋田1区から立候補し、衆議院議員として再選されました。これにより、衆議院議員として通算3期の任期を務めることとなりました。

その他の役職と死去

政治活動の傍ら、川口氏は多くの団体の役員も兼任しました。秋田ステーションデパート株式会社や秋田ビル株式会社の社長を務めたほか、秋田県農漁村振興会の会長、秋田県都市計画協会の会長などを歴任。また、東北開発審議委員として、東北地方の振興に関する審議にも携わるなど、経済や地域開発といった幅広い分野でその手腕を発揮しました。

衆議院議員としての3期目の任期途中であった1981年2月26日、川口大助氏は結腸がんのため、東京都大田区にある東京労災病院で逝去しました。享年62歳でした。

その死後、1981年3月3日には、特別の定めにより位記が追賜され、正五位に叙されるとともに、勲三等瑞宝章が追贈され、その功績が称えられました。同年4月7日には、衆議院本会議において石田博英氏により追悼演説が行われ、故人の人となりや政治家としての業績が偲ばれました。

参考文献

『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』（日外アソシエーツ、2003年）
衆議院・参議院編『議会制度百年史 衆議院議員名鑑』（大蔵省印刷局、1990年）
* 朝日新聞選挙本部編『朝日選挙大観』（朝日新聞社、1997年）

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