川名幸宏

川名 幸宏

1988年4月6日、東京都練馬区に生まれる。日本の劇作家および演出家として、多岐にわたる舞台作品を手がけている。

来歴

東京学芸大学附属高等学校を経て、明治大学文学部史学地理学科で学ぶ。大学在学中の2011年、第8回明治大学シェイクスピアプロジェクトで上演された『冬物語』において演出を担当し、このプロジェクトを監修していた劇作家・演出家の横内謙介氏に師事する機会を得た。大学卒業後は、横内氏が主宰する劇団扉座で演出助手として経験を積み、並行して市民劇や研究所公演といった様々な現場で創作活動に関与する。

2014年からはフリーランスの演出助手として本格的に活動を開始。特に、俳優・劇作家・映画監督である松居大悟氏の舞台作品に数多く携わり、『イヌの日』『アイスと雨音』『みみばしる』『Birdland』などで演出助手として制作を支えた。この時期に培われた経験が、その後の自身の創作活動の基盤となる。

東京夜光の設立と活動

演出助手として経験を重ねる中で、自身の創作を発表する場を求めるようになる。2017年には、第28回下北沢演劇祭の若手支援プログラム「下北ウェーブ2018」に選出されたことを機に、自身の作品を制作・上演する団体「東京夜光」を設立した。以降、東京夜光で上演される全ての作品において、脚本と演出を一貫して手がけている。

東京夜光の活動は、当初小劇場を中心に展開された。2020年には、公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団による「MITAKA“Next”Selection 21st」に選出され、『BLACK OUT』を三鷹市芸術文化センターにて上演し、その評価を高めた。さらに、2022年には『悪魔と永遠』が演劇の聖地とも称される本多劇場での上演を果たし、活動の場を広げた。

東京夜光の代表的な作品には、『裸足の思い出』『世界の終わりで目をつむる』（2018年）、『ユスリカ』（2019年）、『BLACK OUT』（2020年）、『奇跡を待つ人々』（2021年）、『悪魔と永遠』（2022年）、『fragment』（2023年）などがある。

外部での活動

東京夜光での活動と並行して、外部の様々なプロジェクトにも参加している。2019年にはJ-waveとゴジゲンの企画『みみばしる』で文芸助手を務め、2020年には東京グローブ座の『青木さん家の奥さん』で演出補佐を担当した。また、ゴーチブラザーズと東京夜光が共同制作した『いとしの儚』（2021年、ザ・スズナリ上演）では演出を務めるなど、自身の団体以外での演出も積極的に行っている。

演出助手としても、PARCO劇場での『Birdland』（2021年）、新国立劇場での『イロアセル』（2021年）、シアターコクーンでの『みんな我が子』（2022年）、東京グローブ座での『ガチでネバーエンディングなストーリぃ！』（2022年）、東京芸術劇場での『カスパー』（2023年）など、大規模かつ注目度の高い作品に関わっている。

特筆すべきは、2023年に新橋演舞場で上演された『俺たちのBANG！！～大劇場を占拠せよ～』で作・演出を務めたことである。伝統ある大劇場での創作は、自身のキャリアにおける重要な一歩となった。同年には、朗読劇『ルビンの壺が割れた』、CONTEMPORARY STAGE『ケイ×ヤク』、ダークホラーファンタジー『Grave Keepers』といった作品でも脚本や演出を手がけ、表現の幅広さを示している。

2024年以降も、京都劇場・ヒューリックホール東京での『うねり〜踊らない二人〜』（上演台本・演出）、ゴツプロ！の『たかが十年の祭り』（作・演出）、GORCH BROTHERS PRESENTSの『極めてやわらかい道』（潤色・演出）、『7ORDER 〜BOY meets GIRL〜』（脚本・演出）など、意欲的な活動が予定されている。小劇場から大劇場、ストレートプレイから朗読劇、そしてアイドルの主演舞台まで、ジャンルや規模を問わず多様な舞台で創作に携わっており、今後の活躍がますます期待される演出家・劇作家である。

外部リンク

劇団東京夜光 公式サイト
有限会社ゴーチ・ブラザーズ

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