川崎臨港警察署

川崎臨港警察署（かわさきりんこうけいさつしょ）

概要

川崎臨港警察署は、神奈川県警察が管轄する警察署の一つです。神奈川県警察内の川崎市警察部隷下、第三方面に属しており、比較的小規模な警察署と位置づけられています。署長は警視の階級を持ち、警察組織内での識別章所属表示は「SB」です。その所在地は、川崎市川崎区池上新町二丁目17番14号にあります。

管轄区域とその特性

本署の管轄区域は、川崎市の川崎区東部および扇島全域にわたります。この地域は、古くから労働者の町として栄え、現在もなお下町特有の人情や情緒が色濃く残る市街地と、東京湾に面した広大な工業地帯という、異なる顔を持つエリアが混在しています。生活と産業の双方を支えるこの複雑な環境における治安維持が、当署の重要な役割です。管轄区域内には、朝鮮総連川崎支部や朝鮮学校も所在しています。

地理的境界と他県警察との連携

管轄区域の北側は、多摩川を挟んで東京都大田区と隣接しています。このような都県境に位置する地理的な特性から、警視庁との連携が不可欠となります。事件の発生や緊急事態に際しては、神奈川県警察と警視庁の間で相互に連携した緊急配備や事件被疑者の手配が行われることがしばしばあり、これに対応するための合同訓練なども定期的に実施されています。

名称について

警察署名に「臨港」とありますが、これは管轄区域に港湾や臨海部が含まれることに由来するものであり、海上の安全や犯罪を取り締まる「水上警察」とは組織上、機能上で明確に区別されます。

沿革

川崎臨港警察署の歴史は、昭和初期に遡ります。

1929年（昭和4年）：横浜水上警察署の出張所として開設されました。
1933年（昭和8年）：臨港警部出張所に昇格し、体制が強化されました。
1935年（昭和10年）：「川崎臨港警察署」として独立した名称が与えられました。
1945年（昭和20年）：第二次世界大戦の戦災を受け、一時的に川崎警察署へ統合されます。
1948年（昭和23年）3月7日：警察法の公布に伴い、自治体警察制度が導入され、川崎市警察が発足します。
1949年（昭和24年）：自治体警察の組織として「川崎市臨港警察署」が開設され、再び独立した警察署となります。
1954年（昭和29年）7月1日：警察法の改正により、神奈川県警察に移管され「神奈川県臨港警察署」と改称されます。
1957年（昭和32年）：「神奈川県川崎臨港警察署」と改称され、現在の名称となりました。

組織体制

本署は、以下の7課体制で運営されています。

署長（警視）
副署長（警視）
警務課
会計課
生活安全課
地域課（警ら用無線自動車3台、小型警ら車2台を装備し、パトロールや事案対応を行います）
刑事課
交通課
警備課

この組織体制により、管轄区域の多様な事案に対応しています。

地域住民の拠点：交番

地域住民の安全を守るための活動拠点として、管内には以下の交番が設置されています。

浜町交番
出来野交番
殿町交番

なお、鋼管通交番は、近隣の交番との統合に伴い、2024年3月末をもって廃止されました。

安全確保のための設備

管内には、自動車ナンバー自動読取装置（Nシステム）が複数設置されており、犯罪捜査や交通状況の把握に役立てられています。

川崎区四谷上町（国道132号）
川崎区四谷下町（国道132号）
川崎区塩浜3丁目（国道132号）
川崎区夜光2丁目（国道132号）
川崎区大師河原1丁目（国道409号）
川崎区池上新町3丁目（県道6号）
川崎区浜町4丁目（県道6号）
川崎区鋼管通4丁目（一般市道）

過去に発生した主な事件・事故

管轄区域内では、過去に以下の notable な事件や事故が発生しています。

昭和電工川崎工場爆発事故
必殺仕置人殺人事件
* 川崎市バッグ死体遺棄事件

庁舎の状況

2022年時点の情報によれば、現在の庁舎は老朽化が進んでいるため、建て替え計画が進行中です。新しい庁舎の完成により、今後の警察活動のさらなる質の向上と効率化が期待されています。

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