川田町 (鹿児島市)

鹿児島市川田町の詳細情報

川田町は、鹿児島市北部に位置し、甲突川の支流である川田川が町の中央を流れる、自然豊かな農業地域です。北に東俣町、西から南にかけて小山田町、東に皆与志町と隣接しています。2020年4月1日時点で、人口383人、194世帯が暮らしています。

地理

川田町は、川田川流域と山間部に集落が点在しており、穏やかな田園風景が広がっています。町の中央を南北に流れる川田川に沿って、鹿児島県道211号小山田川田蒲生線が通っており、地域住民の生活道路として利用されています。町の北端には、鹿児島市立南方小学校があり、地域の子どもたちの教育を担っています。

歴史

川田の地名は、鎌倉時代から確認されており、当時は薩摩国満家院の一部でした。川田村、または川田名と呼ばれていました。1233年には、満家院司の大蔵永平娘の息子である栄尊に川田村が付与されることが取り決められ、1247年には正式に5つの村と共に栄尊に与えられました。その後、栄尊から川田の惣領職は嫡子に、川田名代官職は三男に譲られ、三男は川田氏を称してこの地を治めました。

戦国時代には、川田城を巡る合戦がありました。1485年、島津氏の攻撃を川田氏が退けましたが、その後、川田氏は島津氏の軍師として活躍し、川田の地は島津氏の直轄領となりました。安土桃山時代には、豊臣秀吉の命により川田城は明け渡されました。

江戸時代には、薩摩藩の郡山郷に属し、明治時代には郡山村の一部となりました。1877年の西南戦争後には、川田村に警視分署が設置され、周辺地域の治安維持に貢献しました。1889年の町村制施行に伴い、郡山村の大字「川田」となりました。

1920年には、南方尋常小学校が現在地に移転しました。1987年には土石流により被害が発生し、2名の犠牲者が出ました。2004年に郡山町が鹿児島市に編入された際、大字川田は廃止され、新たに鹿児島市の「川田町」として発足しました。

文化財

川田町には、歴史的な文化財が残されています。

県指定文化財:
川田堂園の供養塔群：中世の豪族である比志島氏、川田氏の墓所に位置する供養塔群で、1297年の刻文がある角石塔が見られます。
市指定文化財:
川田氏累代墓石塔群：川田氏の歴代の墓石塔群です。

施設

公共施設:
川田自治公民館
南方校区公民館
教育施設:
鹿児島市立南方小学校
寺社:
川田神社
南方神社

交通

道路:
鹿児島県道211号小山田川田蒲生線
バス:
JR九州バス北薩線（川田経由）：南方校 - 川田上 - 川田中 - 川田下
鹿児島市コミュニティバス（あいばす）：
郡山地域 東俣・中心部コース（月・水・金運行）：南方校 - 県住入口 - 県住前 - 川田上 - 川田中 - 川田下 - 小原口
伊敷東部地域（毎日運行）：南方校 - 県住入口 - 県住前

まとめ

川田町は、豊かな自然と歴史が調和した地域です。中世から続く歴史を持ち、多くの文化財が残されています。農業が盛んな地域であり、住民の生活を支える公共施設や教育機関も整っています。また、バス路線が整備されており、地域住民の生活を支えています。

参考文献

南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。
郡山郷土史編纂委員会『郡山郷土史』鹿児島市、2006年3月1日。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
鹿児島市「鹿児島市内の指定文化財等一覧表」2020年4月1日。

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