川路駅

川路駅について

川路駅（かわじえき）は、長野県飯田市川路辻前に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）飯田線の駅です。単式ホーム1面1線と保線車両用の留置線を有する地上駅で、飯田駅が管理する無人駅となっています。

歴史

川路駅は、1927年（昭和2年）12月26日に伊那電気鉄道の駅として、伊那川路駅（いなかわじえき）という名称で開業しました。当時は一般駅として、旅客だけでなく貨物の取り扱いも行っていました。

1943年（昭和18年）8月1日には、伊那電気鉄道線が国有化され、飯田線の一部となったため、鉄道省（後の日本国有鉄道）の駅となりました。この際、旧川路駅が三河東郷駅に改称したことに伴い、当駅が川路駅（かわじえき）に改称されました。

1961年（昭和36年）6月26日には、地域を襲った「三六災害」により、駅舎が屋根まで水没する甚大な被害を受けました。この災害を機に、周辺地域は「災害危険区域」に指定され、多くの住民が高台や他地域へ移住したため、駅周辺は一時ゴーストタウン化しました。

1971年（昭和46年）12月1日には、貨物・荷物扱いが廃止され、旅客駅となり、同時に無人駅となりました。その後も、1983年（昭和58年）9月の「五八災害」で再び水害の被害を受けています。

1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR東海の駅となりました。そして、2001年（平成13年）には、水害対策のための治水工事（護岸・盛土整備）によって線路が付け替えられ、駅は東側へ移設されました。

駅構造

現在の川路駅は、単式ホーム1面1線と保線車両用の留置線を有する地上駅です。水害対策のため、開設当初の位置からは移設されています。無人駅であり、飯田駅が管理を行っています。

利用状況

1日の平均乗車人員は、近年では減少傾向にあります。

駅周辺

川路駅は、天竜川に接した低地に位置しており、過去に何度も洪水による被害を受けてきました。そのため、水害対策として、国土交通省、飯田市、中部電力などによる天竜川治水対策事業が進められています。周辺では、天竜峡エコバレープロジェクトなどの開拓事業も行われています。

駅の近くには、国道151号（川路バイパス・長野県道250号上川路大畑線）や天竜川が流れています。また、天竜川総合学習館かわらんべやかぶちゃん農園配送センターなどの施設も近隣にあります。駅のすぐ近くには開善寺もあります。

隣の駅

JR東海飯田線では、川路駅の隣の駅は以下の通りです。

天竜峡駅
時又駅

国有化される前は、当駅と時又駅の間に開善寺停留場が存在しました。

その他

塩沢とき（本名：塩沢登代路）は、出生時に父親が伊那電気鉄道に勤めており、豊橋駅と同駅にちなんで命名されたというエピソードがあります。

参考資料

* 曽根悟（監修）、朝日新聞出版分冊百科編集部（編集）「飯田線・身延線・小海線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第3号、朝日新聞出版、2009年7月26日。

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