工場板金技能士

工場板金技能士について

工場板金技能士とは、国家資格の一種であり、工場板金に関する専門的な技能を証明するものです。この資格は、都道府県職業能力開発協会によって実施されている技能検定制度の一環として認定され、合格者は技術者としての証明として、特級、1級、2級、及び3級の称号を得ることができます。

資格の概要

工場板金技能士資格は、名称独占資格であり、特級及び1級から2級まで、取ることのできる等級があります。特級は通常管理者や監督者が求められる技術レベルを指し、1級から3級までの資格は、それぞれ上級、中級、初級の技能者に求められる技術基準を示しています。この資格を取得するには、学科試験と、実技試験に合格する必要があります。

工場板金技能の技能検定試験は、「曲げ板金作業」、「打出し板金作業」、「機械板金作業」、「数値制御タレットパンチプレス板金作業」の4つの分野に分けられ、受験者はそれぞれの分野で所定の課題をこなす必要があります。特に、1級合格者は職業訓練指導員（塑性加工科）の試験が一部免除される特典があります。

実技試験の内容

1. 曲げ板金作業

• - 特級: 管理に関する幅広いスキルを評価され、試験時間は3時間です。
• - 1級: 冷間圧延鋼板を用いて製品を製作する試験で、試験時間は6時間です。
• - 2級: 同様に鋼板を加工し容器を作る内容で、試験時間は5時間30分です。
• - 3級: より簡易な製品の製作が求められ、試験時間は3時間です。

2. 打出し板金作業

• - 特級: 工程や品質管理を含む試験で、試験時間は3時間です。
• - 1級: 冷間圧延鋼板を使用し、複雑な形状の製品が求められ、試験時間は7時間です。
• - 2級: 亀甲形の商品を作成する内容で、試験時間は6時間です。

3. 機械板金作業

• - 特級: 管理スキルが評価される試験で、試験時間は3時間です。
• - 1級: 板金加工機を利用した製作が求められ、試験時間は2時間10分です。
• - 2級: 機械を用いた製作で、試験時間は1時間30分です。

4. 数値制御タレットパンチプレス板金作業

• - 特級: 管理能力が試され、試験時間は3時間です。
• - 1級と2級: 課題図面をもとにNCデータを作成し、プレスによる加工を行います。

取得後の称号

合格者には、等級に応じた「工場板金技能士」の称号が与えられます。この資格を名刺やWebサイトで表記する際には、具体的な等級を明記することが義務付けられており、表示の誤りや省略は許されません。さらに、工場板金技能士資格を持たない者が、この称号を利用することは法律によって禁止されています。

まとめ

工場板金技能士は、製造産業において重要な役割を果たす専門技術者としての資格であり、正確な技術を習得した証明となります。この資格を取得することにより、自身の技術者としてのキャリアをさらに広げることができます。

もう一度検索