工藤幹夫

工藤 幹夫について

工藤 幹夫（くどう みきお、1960年9月30日 - 2016年5月13日）は、秋田県本荘市（現在の由利本荘市）出身のプロ野球選手であり、主に投手として活躍しました。彼は日本ハムファイターズに入団し、プロ野球界での数々の記録と名声を残しました。

経歴

プロ入り前

工藤は幼少期から野球に親しみ、小学校では軟式野球をしていました。彼の在籍した本荘市立本荘南中学校では、東北大会での優勝を果たし、同じチームには後にプロ入りする村岡敏英がいました。秋田県立本荘高校ではエースピッチャーとして活躍し、1977年の秋季東北大会では準々決勝に進出しました。1978年の夏の甲子園県予選では決勝進出を果たし能代高校と対戦したものの、惜しくも2-3のスコアで敗退しました。そのため、甲子園出場経験はないものの、工藤はプロ野球界での注目株となり、読売ジャイアンツからも関心を受ける存在でした。そして、日本ハムファイターズから1978年のドラフトで2位指名を受け、プロ入りを果たしました。

日本ハムファイターズでの活躍

入団当初、工藤はアンダースローで投球していましたが、その後オーバースローやサイドスローといった多様なフォームから投球を行い、「スパイダー投法」と名付けられました。プロ入り初年度の1979年には一軍の試合で初登板を果たし、次の1980年にはイースタン・リーグで13勝を挙げて最多勝に輝きました。

1981年にはサイドスローにフォームを固定し、開幕3試合目に先発し好投しましたが、期待に反し2勝に留まりました。しかし、その年の日本シリーズでは5試合に登板し、特に第1戦ではサヨナラ勝ちを呼び込むリリーフを果たし、第3戦でも勝利を挙げました。

1982年には先発として20勝4敗、防御率2.10の素晴らしい成績を記録し、最多勝、最高勝率、ベストナインを受賞します。9月には右手小指を骨折しましたが、プレーオフでは驚異の回復で先発し、打線の支援がない中でも無失点投球を見せました。その後の第3戦でも勝利を収め、日本ハムにとって貴重な勝ちをもたらしました。この年、西武相手に6勝1敗の好成績を残しており、彼の活躍は非常に目立っていました。

しかし、怪我からの回復が長引く中で、1983年には8勝を挙げたのが最後の勝ち星となり、1984年にはわずか1試合の登板に終わります。1985年からは一軍での登板がなくなり、1988年に内野手に転向するも成果を上げられず、現役を引退しました。

現役引退後

現役引退後は秋田に戻り、スポーツ店を経営しながら社会人野球チームの監督を務めました。2016年5月13日、肝不全のため亡くなってしまいました。享年55歳でした。

人物と影響

工藤はプロ野球選手としてだけでなく、指導者としても影響力を持ちました。1999年にはラジオ番組に出演し、タレントの伊集院光とも関わりがありました。彼の存在は多くの人に感動を与え、いまだに地域スポーツにおいて多くの支持を集めています。工藤はその功績と精神で今も記憶されている選手です。

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