巨砲丈士

巨砲丈士について

巨砲丈士（おおづつ たけし）は、1956年4月18日生まれで、三重県四日市市にルーツを持つ元大相撲力士です。本名は松本隆年（まつもと たかとし）で、彼は大鵬部屋に所属していました。最高位は東関脇で、183cmの身長と148kgの体重を誇ります。彼は右四つや寄り、上手出し投げを得意としており、その技術は多くのファンを魅了しました。

家族背景

巨砲丈士の家族もスポーツ界での実績があります。父親は時津風部屋の元十両力士である劍龍であり、妹の松本宣子は全日本選抜柔道体重別選手権で二度も優勝した柔道選手です。こうした背景も、彼のアスリートとしての素養を支えたことでしょう。

相撲の道に進むまでの経歴

中学校時代には野球と空手に熱中していました。特に野球では、東邦高校から勧誘を受けるほどの実力を持っていましたが、相撲には当初興味がありませんでした。しかし、大鵬の元兄弟子が松本家の近所に住んでおり、その娘が松本と同級生だったことから、大鵬の目に留まり、彼から直接招待される形で相撲の世界に入ることになります。1971年3月に大鵬との初対面を果たし、その後のサポートを得て、同年5月には二所ノ関部屋にて初土俵を踏みました。家族が相撲と深い関わりを持っていたことをこの時初めて知ったといいます。

大相撲界でのキャリア

巨砲丈士は、1977年に新十両に昇進し、その後1979年に入幕を果たしました。入幕以降、その相撲技術と体格を活かし、1981年には関脇に昇進し、数多くの強い力士との対戦を重ねます。彼は特に横綱に対して強い成績を残しており、金星獲得記録は歴代横綱13人との対戦で10個を数え、これは大相撲史上でも名を記しています。

彼の戦績は753勝809敗、幕内成績は533勝637敗でした。三役としては、関脇には3場所、小結には8場所在位しました。特筆すべきは、幕内連続在位が78場所という数字です。これにより、彼は丈夫さと持続力の代表選手とみなされていました。

引退後の活動

1992年に36歳で引退した後、巨砲丈士は大鵬部屋で親方として後進の指導に当たりました。この間、年寄として昇進したものの、2003年に規定が変更され、平年寄に降格しました。2008年には年寄株を譲り、日本相撲協会を退職しました。退職後は、横浜市で飲食店を経営していましたが、相撲界での不祥事が続いたため、次第に経営に行き詰まり、店を閉店することになります。

現在の活動

現在は、日本あおいの会の専務理事として所属しており、地域社会に貢献するイベントなども企画しています。彼が幼少期に通った横浜市立宮谷小学校で、地元の子供たちとの交流を深める機会を設けるなど、後進育成にも力を尽くしています。

主な成績

• - 通算成績: 753勝809敗 18休（勝率.482）
• - 幕内成績: 533勝637敗（勝率.456）
• - 幕内連続在位: 78場所
• - 三賞: 4回
• - 金星: 10個
• - 十両優勝: 1回（1978年9月場所）

巨砲丈士の相撲人生は、家族のバックグラウンドや自己の努力、そして大鵬との出会いによって形作られたものでした。引退後も、相撲界の発展や地域貢献に寄与し続けている彼の姿勢は、多くの人々にとって見本となることでしょう。

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