市川團蔵 (4代目)

四代目市川團蔵：江戸時代の歌舞伎界を彩った名優

四代目1745年-1808年'>[市川團蔵]は、江戸時代中後期に活躍した、人気歌舞伎役者です。屋号は三河屋、俳名は二紅と称しました。

彼の生涯は、華麗なる舞台人生そのものでした。幼少期は京都で芝居に携わり、子役として人気を博しました。その後、大阪の浜芝居で亀谷虎蔵を名乗り、経験を積みます。初代中村富十郎の門下に入り、中村虎蔵と改名した後、江戸へと活躍の場を移し、三代目市川團蔵の門下で市川友蔵と名乗りました。

明和9年(1772年)、師である三代目市川團蔵の死去に伴い、未亡人の養子となり、三代目市川團三郎を襲名。そして安永2年(1773年)11月、市村座の顔見世興行で、四代目市川團蔵を襲名するに至りました。

その後、彼は全国を巡業しました。天明3年(1784年)には大阪で、天明6年(1786年)には明石、四国、伊勢古市などを舞台に活躍しました。寛政2年(1790年)には再び大阪、京都で公演を行い、寛政10年(1798年)から享和2年(1802年)までは江戸で舞台に立ちました。晩年は上方、特に大阪を拠点に活躍しました。

文化5年(1808年)9月、大阪小川座での公演中、『八陣守護城』の佐藤正清を演じる最中に病に倒れ、同月9日に64歳で亡くなりました。

彼の芸達者ぶりは広く知られていました。小柄な体格ながら、太刀打ちの立回り、宙返り、そして早替りなど、高度な技術を駆使した軽妙洒脱な演技で観客を魅了しました。大阪では「友蔵団蔵」、江戸では目黒に住んでいたことから「目黒の団蔵」や「目黒団蔵」などと呼ばれ、親しまれていました。代表的な当たり役には、『隅田川続俤』の法界坊や『平家女護島』の俊寛などがあります。

市川團蔵の家系は、歌舞伎界において重要な役割を果たしました。実子には市川團三郎、三代目市川團之助、四代目市川團之助がおり、養子である市川團次郎は後に五代目市川團蔵を襲名しています。

四代目市川團蔵は、その卓越した演技力と全国を舞台とした活躍により、江戸時代歌舞伎史に燦然と輝く、名優の一人として記憶されています。彼の芸風は、後世の歌舞伎役者たちに多大な影響を与えたことは間違いありません。現在に伝わる数々の記録や文献は、その輝かしい業績を後世に語り継いでいます。

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