市川染五郎 (8代目)

八代目 市川染五郎

八代目市川染五郎は、2005年3月27日生まれの歌舞伎役者です。歌舞伎の名跡「市川染五郎」の当代であり、屋号は高麗屋。定紋は三つ銀杏、替紋は四つ花菱です。本名は藤間齋。

生い立ちと初舞台

七代目市川染五郎（現・十代目松本幸四郎）と園子夫妻の長男として東京都に生まれました。2007年6月、歌舞伎座『侠客春雨傘』で初お目見え。2009年6月には、歌舞伎座『門出祝寿連獅子』で孫獅子を演じ初舞台を踏み、四代目松本金太郎を襲名。この舞台は、父・七代目染五郎、祖父・九代目松本幸四郎（当時）との高麗屋三代揃い踏みとなり、大きな話題を呼びました。

歌舞伎役者としての歩み

2012年1月には『奴凧廓春風』で舞鶴屋倅小伝三を演じ、国立劇場初出演を果たしました。2013年10月には『春興鏡獅子』の胡蝶の精で国立劇場特別賞を受賞。2016年12月には、祖父、父とともに高麗屋三代での襲名が発表され、2018年1月に歌舞伎座で八代目市川染五郎を襲名。『勧進帳』の源義経を演じました。
2020年12月には『雪の石橋』の獅子の精で国立劇場奨励賞を受賞。2022年6月には『信康』で歌舞伎座初主演を務めました。

多彩な活躍

歌舞伎の舞台だけでなく、映像作品にも出演しています。2022年にはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で木曽義高役を演じました。また、『鬼平犯科帳』シリーズでは長谷川銕三郎役として出演。映画では、『レジェンド&バタフライ』で森蘭丸役、『鬼平犯科帳 血闘』で長谷川銕三郎役を演じました。さらに、劇場アニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』では、主人公チェリーの声優を務めるなど、多方面で活躍しています。

家族と親族

七代目松本幸四郎と初代中村吉右衛門は高祖父、初代松本白鸚は曽祖父にあたります。二代目中村吉右衛門は大叔父、七代目尾上丑之助は再従兄弟にあたるなど、歌舞伎界の名門一族です。実業家の藤間紀子は祖母、女優の松本紀保、松たか子はそれぞれ伯母、叔母にあたります。

主な出演作品

歌舞伎の出演は多岐にわたり、以下に主なものを記載します。

2007年6月 歌舞伎座「侠客春雨傘」高麗屋齋吉 ※初お目見得
2009年6月 歌舞伎座「門出祝寿連獅子」童後に孫獅子の精 ※初舞台
2012年1月 国立劇場「奴凧廓春風」舞鶴屋倅小伝三
2013年10月 国立劇場「春興鏡獅子」胡蝶の精
[2018年]]1月 歌舞伎座「勧進帳」源義経 = [[市川染五郎]襲名
2020年12月 国立劇場「雪の石橋」獅子の精
2022年6月 歌舞伎座「信康」徳川信康
2024年1月 歌舞伎座「江戸みやげ　狐狸狐狸ばなし」雇人又市

テレビドラマ

妻は、くノ一（2013年、NHK BSプレミアム） - 藤松 役
大河ドラマ 鎌倉殿の13人（2022年、NHK） - 木曽義高 役
鬼平犯科帳（時代劇専門チャンネル） - 長谷川銕三郎 役

映画

レジェンド&バタフライ（2023年、東映） - 森蘭丸 役
鬼平犯科帳 血闘（2024年、松竹） - 長谷川銕三郎 役

劇場アニメ

サイダーのように言葉が湧き上がる（2021年、松竹） - 主演・チェリー 役

受賞歴

2012年：国立劇場特別賞 『奴凧廓春風』舞鶴屋倅小伝三
2013年：国立劇場特別賞 『春興鏡獅子』胡蝶の精
2020年：国立劇場奨励賞『雪の石橋』獅子の精
2023年：第40回ベストジーニスト 次世代部門
* 2024年：第47回日本アカデミー賞新人俳優賞 『レジェンド&バタフライ』森蘭丸

その他

2022年5月には、幼稚園から通っていた青山学院高等部を3年進級前に中退しています。

市川染五郎は、歌舞伎の伝統を守りながらも、新たな分野にも積極的に挑戦し続ける、将来が期待される若き才能です。

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