市田駅

市田駅について

市田駅（いちだえき）は、長野県下伊那郡高森町下市田に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）飯田線の駅です。この駅は、地域の足としてだけでなく、歴史的にも重要な役割を担ってきました。

歴史

市田駅の歴史は、1923年（大正12年）3月13日に伊那電気鉄道の駅として開業したことから始まります。開業当初は、山吹駅からの延伸区間の終着駅でしたが、わずか5日後には元善光寺駅まで延伸され、途中駅となりました。1943年（昭和18年）には、伊那電気鉄道線が国有化され、飯田線の一部として鉄道省（後の日本国有鉄道）の駅となりました。

その後、1957年（昭和32年）に市田村が山吹村と合併し、現在の高森町が誕生しました。1961年（昭和36年）には、大水害（三六災害）により駅周辺の線路が土砂に埋没するなどの被害を受けましたが、1969年（昭和44年）には新駅舎が完成しました。1982年（昭和57年）に貨物取扱が廃止され、旅客駅化。1983年（昭和58年）には業務委託駅となり、1985年（昭和60年）には荷物扱いも廃止されました。国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）からはJR東海の駅となっています。2013年（平成25年）からは自治体による簡易委託駅として運営されています。

2011年（平成23年）には、リニア中央新幹線の長野県内における駅設置候補地の一つとして、この市田駅周辺が報道されたこともあります。

駅構造

市田駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。駅舎は西側に位置し、ホーム間の移動には、下市田駅側に設けられた構内踏切を利用します。駅の南側には、保線車両用の留置線があります。以前は、駅舎北側に貨物ホームがありましたが、現在はバス停になっています。駅は飯田駅が管理しており、業務は高森町が受託しています。

のりば

市田駅のホームは、1番線と2番線に分かれており、それぞれ上り方面と下り方面の列車が発着します。

利用状況

長野県統計書によると、市田駅の一日平均乗車人員は、2007年度の406人から2018年度の410人まで、おおむね400人前後で推移しています。

駅周辺

市田駅は、高森町だけでなく、天竜川対岸の豊丘村への玄関口としても機能しています。駅と豊丘村は明神橋で結ばれており、地理的な関係から、駅を利用する高校生が多く、朝夕は特に混雑します。駅前からは、豊丘村方面へのバスや、高森町が運営する高齢者向けの福祉バスが発着しています。駅の近くには、出砂原商店街や、かつては「市田駅バラ園」がありましたが、2007年に撤去されています。

駅周辺には以下の施設があります。

出砂原の六地蔵
高森町消防団第一分団第一班（高森1-1）詰所
高森町商工会館
国道153号
下伊那厚生病院
天竜川船下り市田港
八十二銀行市田支店

隣の駅

市田駅の隣の駅は、飯田線において、以下の通りです。

■快速「みすず」：元善光寺駅 - 市田駅 - 伊那大島駅
* ■普通：下市田駅 - 市田駅 - 下平駅

まとめ

市田駅は、地域住民の生活を支える重要な駅であり、歴史的な背景も持っています。駅周辺の自然環境や地域施設も魅力的で、訪れる人々にとって重要な交通拠点となっています。

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