市立岡谷美術考古館

市立岡谷美術考古館：美術と歴史の融合

長野県岡谷市に位置する市立岡谷美術考古館は、美術と考古学を融合させた、地域に根ざした博物館です。1970年の開館以来、岡谷市の歴史と文化を伝える役割を担い、2013年には童画館通りに移転、リニューアルオープンしました。美術館と考古博物館に加え、市民交流広場や体験学習スペースも備えた、地域住民にとって身近な複合施設となっています。

充実の収蔵品：郷土の美術と考古学の軌跡

館内には、岡谷市ゆかりの作家を中心に、多様な美術作品が展示されています。洋画、日本画、版画、彫刻、書、工芸と、その表現方法は多岐に渡ります。岡谷美術の礎を築いた高橋貞一郎とその子息である宮原麗子、高橋靖夫の作品をはじめ、野村千春、早出守雄、織田昇、辰野登恵子、根岸芳郎、山田郁夫といった岡谷出身の洋画家たちの作品が数多く収蔵されています。彫刻では武井直也、小口節三、版画では増沢荘一郎、武井武雄、武井吉太郎、小口作太郎、書画では八幡竹邨、太田谷山、工芸では小口稔、八幡郊処といった地元の作家たちの作品が、郷土の美術史を物語っています。

さらに、岡谷市域外からは、篠原昭登、宮坂昭吉、志村一男、堀内唯生、西岡瑞穂（洋画）、小口正二、浜達也、田中隆夫、和泉湧清、和泉湧三、小泉親人（工芸）、武井斌、北村西望（彫刻）、宮坂覚郎、張懐江、張遠帆、葛新民（水墨画）、津金寉仙（書）、川崎春彦、林勇（林雲渓）（日本画）など、著名な作家の作品も収蔵されており、多様な視点から日本の美術史を理解することができます。

考古資料においては、国の重要文化財に指定されている「顔面把手付深鉢形土器」（海戸遺跡出土）をはじめ、縄文時代から平安時代にかけての岡谷市内遺跡から出土した土器や土偶など、貴重な考古資料が展示されています。「壷を持つ妊婦土偶」（目切遺跡出土）など、古代の人々の生活を垣間見ることができる資料も含まれており、歴史に興味を持つ来館者にとって、見逃せない展示となっています。

アクセスと開館情報

市立岡谷美術考古館は、JR岡谷駅から徒歩5分というアクセス抜群の立地にあります。また、長野自動車道岡谷ICからも車で10分と、車でのアクセスも容易です。開館時間は10:00～19:00で、休館日は水曜日と祝日の翌日です。

さらに、イルフ童画館、岡谷蚕糸博物館、旧林家住宅（重要文化財）、旧渡辺家住宅（長野県宝）との共通入館券も用意されており、岡谷市の文化施設を効率的に巡ることができます。

まとめ

市立岡谷美術考古館は、美術と考古学の両面から岡谷市の歴史と文化を深く理解できる貴重な施設です。郷土の作家たちの作品から、全国的に有名な作家の作品まで、幅広いコレクションを誇ります。岡谷を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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