岡谷駅

岡谷駅：東洋のスイスを支える交通の要衝

標高766.2m、諏訪湖西岸に位置する岡谷駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）中央本線の中核駅です。古くから製糸業で栄え、現在は精密機械工業が盛んな岡谷市の中心地にあり、その発展を支える重要な役割を担っています。

駅の歴史：中央本線の発展と歩みを共に

岡谷駅は1905年（明治38年）、中央本線の延伸に伴い富士見駅から終着駅として開業しました。その後、1906年（明治39年）には辰野駅を経由し塩尻駅まで線路が延伸され、中央本線における位置づけが明確になります。当初、塩尻駅までの区間は大きく迂回するルートであったため、列車運行に時間がかかっていました。しかし、旅客需要の増加に対応するため、1983年（昭和58年）に塩嶺トンネルが開通。これにより塩尻駅までの所要時間が大幅に短縮され、岡谷駅は新旧線の分岐駅となりました。現在では、特急「あずさ」の大半を含む定期運行の特急列車は全て塩嶺トンネルを経由して運行されています。

開業以来、岡谷駅は幾度かの変化を遂げてきました。1952年（昭和27年）には鉄筋コンクリート造りの駅舎が完成。その後、1986年（昭和61年）に貨物・荷物扱いが廃止され、岡谷コンテナセンター（後の岡谷オフレールステーション、現在の岡谷新営業所）が設置されました。また、2005年（平成17年）には自動改札機が導入され、2014年（平成26年）にはSuicaが利用可能となりました。近年では2016年（平成28年）に駅舎の改修工事が完了し、歴史と近代性を融合した駅舎が誕生しました。2020年（令和2年）にはみどりの窓口が営業を終了し、話せる指定席券売機が導入されるなど、時代の変化に対応した設備更新も進められています。

駅構造：近代化と歴史的要素の共存

岡谷駅は地上駅で、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、さらに留置線1線を有する規模です。駅舎は1952年竣工のコンクリート造りの平屋建てを改装。赤レンガ風の外壁やクラシック調の窓枠など、歴史的な要素を活かした外観と内装が特徴です。塩嶺トンネル開通に合わせ、飯田線直通列車の分割併結に対応するため駅設備が拡張されました。現在も、直営駅（駅長配置）として川岸駅を管理しています。駅舎内には待合所、各種券売機、キヨスクなどが設置され、岡谷市の物産品を展示するスペースもあります。

駅の周辺：発展する街と自然の調和

駅前広場は整備されており、バスやタクシーが発着します。かつては商業ビル「ララオカヤ」がありましたが、2022年11月30日に閉鎖されています。岡谷市街地は駅北東に広がり、駅の西側には長野自動車道岡谷高架橋が中央本線をまたぎ、南には天竜川が流れ、さらに東には諏訪湖が広がる、自然豊かな環境にあります。

貨物輸送：岡谷新営業所

駅南側に位置する岡谷新営業所は、かつて岡谷コンテナセンター、岡谷オフレールステーションとしてJR貨物のコンテナ集配基地として機能していました。現在では線路は敷設されておらず、貨物列車の発着はありません。南[[松本駅]]との間でトラック便による貨物輸送が行われています。1986年の駅での貨物取扱廃止以降、地域経済を支える物流拠点としての役割を担い続けています。

利用状況とアクセス

2023年度の1日平均乗車人員は2,762人です。駅へのアクセスは、JR中央本線に加え、バス路線も利用可能です。

まとめ

岡谷駅は、歴史と現代が融合した、地域社会の中心的な存在です。中央本線の要所として、そして地域経済を支える拠点として、これからも発展を続けていくでしょう。

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