布駅

布駅についての詳細

布駅（ぬのえき）は、広島県広島市安佐北区安佐町飯室にかつて存在した、西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の駅です。この駅は2003年12月1日に廃駅となりましたが、その歴史や周辺の状況を振り返ることは、地域の鉄道の変遷を理解するうえで興味深いものがあります。

歴史

布駅は1946年8月15日に開業しました。これは国鉄可部線の安芸飯室駅から布駅に至る区間が開通した際のことで、この時には一般駅としてスタートを切りました。1954年には可部線がさらに加計駅まで延伸され、より多くの利用者を迎えることとなりました。

1965年に入り、布駅は大きな変革を経験しました。まず、10月1日には荷物の取り扱いが廃止され、その後12月21日には貨物の取り扱いも終了しました。これにより、駅は旅客専用駅となり、駅員が配置されない無人駅となったのです。1972年に広島市内の駅として特定都区市内制度に導入されましたが、当初はその中に含まれず、一時的に除外されました。しかし、1973年には制度の再見直しにより広島市内の駅として認められることになりました。

さらに、1987年4月1日に国鉄が分割民営化された際には、JR西日本に継承され、長い歴史を有する駅となりましたが、最終的には2003年の廃止に至りました。

駅の構造

布駅は、相対式ホームが2面2線設置されている地上駅でした。晩年には上り線の北側の線路が撤去され、単式ホームへと変わりました。駅舎は設けられておらず、無人駅の形を取っていました。また、撤去される前は待合所も存在していましたが、廃止前にはすでに取り除かれていました。

利用状況

布駅の利用状況に関するデータは、広島市の統計書に基づいています。1日の平均乗車人員は、当駅での乗車と降車の合計をもとに算出されています。

駅周辺の環境

駅の前には自転車置き場と未舗装の広場があり、国道191号がすぐ南側を通り抜けていました。また、国道191号の南には太田川が流れています。広島方面に少し進んだところに位置する大川橋を渡ることで、対岸の安佐町久地にアクセスできる、交通の要所でもありました。

現状では、布駅のホームは残っていますが、線路や待合室はすでに撤去されています。草木が生い茂り、駅の面影を探すことが難しい状態になっています。過去の記憶を辿るには、少々困難ですが、そこにあった歴史を感じることはできます。

隣接駅

布駅の隣には可部線の安芸飯室駅と小河内駅が存在し、地域の交通網の中で重要な役割を果たしていました。

このように、布駅は長い間地域住民に利用されてきた駅でしたが、時代の流れに伴い廃止され、現在ではその跡形を留めているかつての駅の空間を探ることができます。

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