師茂樹

師 茂樹（もろ しげき）

師茂樹は1972年に大阪府で生まれ、後に福島県耶麻郡猪苗代町で育ちました。彼は福島県立安積高等学校を卒業後、早稲田大学の第一文学部に進学し、大久保良峻教授に指導を受けながら学問を深めました。1995年に同大学を卒業した後、東洋大学の大学院文学研究科に進学し、田村晃祐教授の指導を受け、2001年には博士後期課程の単位を取得。その後、2013年には関西大学で文化交渉学の博士号を取得しました。

学歴と職歴

師は2002年に花園大学の文学部専任講師として職を得て、2008年に准教授、2015年には教授に昇進しました。彼の専門分野は、因明（仏教論理学）や人文情報学であり、特に仏教における論理の研究に貢献してきました。また、2019年からは京都の上七軒に位置する私塾「上七軒文庫」の運営にも参加し、教育や研究の場を広げています。

受賞歴と業績

師はその研究活動においても数々の受賞歴があります。1997年には東洋大学交友会学生研究奨励賞を受賞し、2011年には日本印度学仏教学会賞、2018年には情報処理学会の論文誌で特選を受賞するなど、その業績が高く評価されています。彼の研究テーマには「古典中国語（漢文）の形態素解析とその応用」に関するものもあり、幅広い領域での専門性を示しています。

morogramと電子仏教

学生時代からコンピュータに親しみ、仏典の電子化に興味を持つようになった師は、石井公成名誉教授の助言を受けて、N-Gramを用いた漢文仏典の分析を進めるためのプログラム、morogram.plを開発しました。さらに、彼は「もろ式」というサイトを運営し、電子仏教に関する情報を収集・公開する活動にも取り組んでいます。また、大正新脩大蔵経の電子化やINBUDSの作成にも関与し、仏教研究のデジタル化に寄与しています。

著書と論文

師は多くの著作を持ち、単著では『論理と歴史 -東アジア仏教論理学の形成と展開-』（ナカニシヤ出版、2015年）、『大乗五蘊論を読む -色受想行識-』（春秋社、2015年）、『最澄と徳一 -仏教史上最大の対決-』（岩波新書、2021年）などがあります。共著としては、情報歴史学に関する書籍や、身体に関する文化の研究なども手掛けています。

まとめ

師茂樹の学問的な貢献は、仏教の論理学と人文情報学という二つの分野における専門的な研究において顕著です。彼の研究成果は、仏教の伝統と現代の情報技術を結び付ける重要な役割を果たしており、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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