常城

常城（つねじょう/つねき）

常城は、備後国芦田郡に存在したとされる古代の山城です。しかし、その所在地は正確には特定されていません。

記録と謎

常城に関する記録は、『続日本紀』の元正天皇養老3年（719年）12月の条に、「備後国安那郡の茨城、葦田郡の常城を停む」とあるのみです。この記述から、常城が719年には存在していたことがわかりますが、築城時期や正確な場所は不明なままです。

所在地調査の試み

常城の所在地を特定するため、過去に複数の調査が行われています。

1967年から1968年にかけて、広島県立府中高等学校の教諭であった豊元国氏が、地歴部員とともに調査を実施しました。彼らは、福山市新市町金丸および常、府中市本山町に跨る亀ヶ岳（標高539.4メートル）周辺を調査し、その遺構らしきものを発見したと発表しました。

しかし、その後、比定地付近で行われた青目寺跡の発掘調査の結果、豊氏らの調査結果との間に矛盾が生じました。これにより、常城が福山市・府中市境付近に確実にあるとは言えなくなりました。

現在の状況

常城の比定地は、市町村制施行以前から芦田郡に属していた地域です。また、地名が今日まで残っていること、府中市街地が備後国府の推定地であり、国府であったことを示す遺物が出土していることから、常城が亀ヶ岳・七ツ池付近にあるという推測は現在も残っています。

しかし、明確な遺構は見つかっておらず、調査は今も継続されています。そのため、常城の所在地は推定の域を出ていません。

参考文献

寺崎久徳「茨城、常城に関する一考察」『山城志第16集』（備陽史探訪の会、2002年）

関連項目

日本の城一覧

外部リンク

* 府中市立図書館府中市歴史資料先人たちの足跡

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