常子内親王

常子内親王の生涯とその影響

常子内親王（つねこないしんのう）は、後水尾天皇の第十五皇女であり、彼女の母は園基音女の園国子（新広義門院）です。常子内親王は霊元天皇の同母姉であり、近衛基熙の正室としても知られています。家族には近衛家熙や近衛熙子（後の天英院）、桜町天皇の外曾祖母が含まれます。彼女の子孫には後桃園天皇がいますが、彼の女御である近衛維子は常子内親王から見て玄孫に当たります。常子は「品宮」（しなのみや）とも呼ばれており、彼女の日常生活は「无上法院殿御日記」として記録されています。

生い立ちと結婚

常子内親王の父である後水尾院から特に愛されていたものの、正式な内親王としての宣下は受けていませんでした。延宝5年（1677年）になると、彼女の名前は常子とされ、以降この名で呼ばれるようになります。彼女は寛文4年（1664年）11月12日に、6歳年下の近衛基熙と結婚しました。この結婚によって、宮廷内での彼女の立場が一段と強固なものとなります。吉祥寺に居住しながら、常子内親王は夫基熙と共に宮廷に頻繁に出入りし、兄弟姉妹やその他の宮廷関係者との深い交流を持っていました。

宮廷生活と家族

常子内親王は、夫である基熙と共に大変賑やかな宮廷生活を送っていましたが、霊元天皇との関係には批判的な姿勢も見られました。これは彼女が基熙よりも年上であったため、相互の理解が難しかったからかもしれません。寛文6年（1666年）には長女の熙子（後の天英院）を、翌年には長男の家熙、さらに寛文9年（1669年）には次男の大炊御門信名を出産し、母としての役割も果たしていました。

最後の年月

常子内親王は元禄15年（1702年）に61歳で亡くなります。彼女の死後は、近衛家の菩提寺である大徳寺に葬られました。常子内親王の生涯は当時の宮廷の動向や家族関係を知る上で非常に重要な情報源となっており、日記「无上法院殿御日記」はその生活を生き生きと伝えています。彼女の生活や家族との関係は、当時の日本の政治や文化の一端を垣間見る手助けとなっています。

参考文献

• - 瀬川淑子『皇女品宮の日常生活：『无上法院殿御日記』を読む』岩波書店

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