桜町天皇について
桜町
天皇(さくらまちてんのう)は、
1720年2月8日に誕生し、
1750年5月28日に
崩御した日本の第115代
天皇です。彼の本名は昭仁(てるひと)、幼名は若宮と呼ばれました。父は
中御門天皇、母は
関白太政大臣近衛家熙の娘である中御門
女御の
近衛尚子です。
桜町
天皇は
享保5年に生まれたものの、母の
近衛尚子は若宮の誕生20日後に急死してしまいました。彼は非常に若い頃から
皇位を期待され、
享保5年の10月には儲君に定められ、11月には
親王宣下が行われました。
彼は曾祖母の六条局や外祖父の
近衛家熙によって育てられ、
享保13年(
1728年)に
立太子されます。さらに、
享保20年(
1735年)に父帝の
譲位により
即位しましたが、
即位後の生活は当初、怠惰なものであったようです。朝食を昼近くに取ることが多く、学問よりも
蹴鞠を好む姿勢があり、
右大臣の
一条兼香はその点を嘆いていたと伝えられています。
しかし、桜町
天皇は次第に朝廷の儀式を復興することに力を注ぎ始めました。
一条兼香の助けと幕府の将軍
徳川吉宗の協力を得て、
大嘗祭や
新嘗祭といった重要な儀式を再興し、
天皇の権威を高めるための努力を続けました。また、
天皇の教育には外戚である
松木家や
櫛笥家も深く関与していたため、政治面でも多くの影響力を持つようになります。
一方、桜町
天皇は
女官制度の改善にも着手しました。彼は「実母」を
天皇の正配が務めるべきとし、外戚の立場を排除することで
皇嗣教育の正当性を確立し、
女官に対する女叙位の復活を行いました。このような改革は彼の治世における重要な業績の一つです。
桜町
天皇は
1747年に桃園
天皇に
譲位し、桜町殿で
院政を開始しますが、残念ながら翌年、
脚気によって31歳で亡くなりました。彼の
譲位は幕府の圧力によるものとする見方もありますが、実際には独自の政治運営を行うための
院政を志向していたとも考えられています。
桜町
天皇の治世中には、神沢貞幹の『
翁草』において、彼の生まれや実績をもとに
聖徳太子の再来と見なす声が上がりました。また、
歌道にも優れ、彼の詠んだ和歌は『桜町院御集』や『桜町院坊中御会和歌』としてまとめられています。さらに、書道にも情熱を注ぎ、優れた作品を残しています。
桜町
天皇には、
女御に
二条舎子、第一皇女に盛子内
親王、第二皇女に智子内
親王などの子女がいました。彼の陵(みささぎ)は月輪陵と呼ばれ、
京都市内の
泉涌寺に位置しています。また、宮中では皇霊殿において彼の霊が祀らています。
桜町
天皇の生涯は、若き
天皇がどのように権威を高め、朝廷の発展に寄与したかを示す重要なページであり、彼の実績は今日でも多くの人々に評価されています。