園基音

園基音

園基音（その もとなり）は、江戸時代前期に活躍した公卿であり、園家13代の当主です。彼は、霊元天皇の外祖父にあたる人物として、歴史に名を刻んでいます。また、書道においては持明院流の名手としても知られていました。

生涯

慶長13年（1608年）に叙爵し、公卿としての道を歩み始めました。慶長17年（1612年）に元服し、侍従に就任。その後、左近衛少将・蔵人頭といった要職を歴任し、寛永8年（1631年）には参議となり、公卿に列しました。さらに、踏歌節会外弁・権中納言を経て、慶安元年（1648年）には権大納言に任じられ、慶安3年（1651年）までその職を務めました。

堂上家でありながら、京都近郊の丹波国山家藩の谷氏から正室を迎えたことは、当時の社会において特筆すべき点です。

妹の光子に続き、基音の娘である国子も後水尾天皇の後宮に入り、四皇子二皇女を儲けました。そのうちの一人である皇子が、後に霊元天皇として即位することになります。このことから、基音は孫である霊元天皇から左大臣を追贈されました。園家は元々権中納言が極官でしたが、基任・基音と二代にわたって天皇の外祖父を輩出したことにより、宮中における席次も向上しました。基音の子である基福は、異例の准大臣に叙せられ、以降の当主もほとんどが権大納言まで昇るなど、園家は事実上権大納言を極官とする家へと昇格を遂げました。

系譜

父：園基任 - 参議、左大臣追贈。
母：不詳
正室：谷衛友（丹波国山家藩初代藩主）の娘
男子：園基福 - 准大臣。
女子：園国子 - 新広義門院、後水尾天皇典侍。霊元天皇生母。
生母不詳の子女
男子：東園基賢 - 権大納言。
男子：葉川基起 - 左近衛権中将。
女子：京極方 - 前田利常の側室、後に冷泉為清の室
女子：柳原資行の室 - 柳原資廉の母。


園基音は、公卿としての功績に加え、天皇の外祖父という立場を通じて、園家の地位向上に大きく貢献した人物として、その名が歴史に刻まれています。

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