常布の滝

常布の滝

常布の滝（じょうふのたき）は、群馬県吾妻郡草津町の大沢川にかかる滝で、日本の滝百選の一つに選ばれています。落差70メートルを誇り、その特徴的な景観は多くの人々を魅了します。

景観

常布の滝の最大の特徴は、その岩肌の色と形状です。赤や黒など、様々な色をした岩が露出しており、その上を緑色の苔が覆っています。このコントラストが独特の景観を生み出しています。
滝の左上部には、浸食によって削られた穴があり、そこからつらら状に垂れ下がった岩を見ることができます。これは、あたかも鍾乳石が垂れ下がっているかのような、珍しい光景です。
滝壺はそれほど大きくはありませんが、滝の正面は広く開けており、全体を見渡すことができます。特に新緑や紅葉の時期には、周囲の木々が色鮮やかに染まり、滝の景観をより一層引き立てます。

地質

常布の滝の独特な岩肌は、白根山の火山活動の影響を強く受けています。滝の岩肌に見られる縦方向の筋状の構造は、緩やかな柱状節理のような形をしており、これは「熔結凝灰岩」と呼ばれる火砕流や火山灰が堆積してできたものです。この地層は「白根浮石流」と呼ばれています。滝の上部は、新期の溶岩に含まれる新しい地層で「本白根溶岩」と呼ばれています。

常布の滝下温泉

常布の滝へ向かうハイキングコースの途中には、前座の無名の滝があります。この滝の左下には、通称「常布の滝下温泉」と呼ばれる温泉が湧き出ています。これは、いわゆる野湯で、自然の中で温泉を楽しむことができます。

ポケットパーク

滝の下にある鷲乃湯跡地に設けられた「ポケットパーク」は、1993年度に手づくり郷土賞（出会いを演出する街角）を受賞しました。ここは、滝を訪れる人々が休憩したり、自然を楽しんだりできる場所として整備されています。

アクセス

常布の滝へは、車と徒歩でアクセスできます。

自動車の場合

1. 国道292号を草津国際スキー場方面へ進みます（草津温泉の温泉街から車で約5分）。
2. 草津国際スキー場、または天狗山第六駐車場に駐車するのが便利です。
3. 草津交差点から国道292号線を白根山方面へ約1.7km進んだ地点（県道55号線には入らない）から右手に林道へ進む道があります。ここから車で約5分進みます（林道は落石などで通行できない場合があるため注意してください）。
4. 林道にはヘアピンカーブがあるため、手前の路肩に駐車します。

徒歩の場合

1. 駐車場所から林道を約15分歩き、ヘアピンカーブを2回折り返すと、常布の滝展望台に到着します。ここから滝を遠望できます。
2. 展望台から少し戻った場所からハイキングコースを約30～60分歩くと、滝の正面にたどり着きます。

注意点

ハイキングコースは、場所によっては道がわかりにくい箇所や、足場が悪い箇所があります。
熊の出没が多い地域のため、注意が必要です。
* ハイキングコースは落石の危険があるため、2014年9月から閉鎖されています。

常布の滝は、その美しい景観と自然の豊かさを感じられる場所です。訪れる際には、十分に注意し、自然を尊重しましょう。

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