常徳殲滅作戦

常徳殲滅作戦

常徳殲滅作戦（じょうとくせんめつさくせん）は、日中戦争中の1943年11月から12月にかけて、湖南省北部で展開された日本軍と中華民国軍との戦闘です。この作戦では、日本の第11軍が常徳を拠点とした中国国民党軍の第6戦区軍に対して大規模な攻撃を行いました。日本軍はこの攻撃を「よ号作戦」と呼び、中国側では「常徳会戦」と称しました。

背景

1943年9月、日本軍は太平洋戦線での劣勢に直面し、絶対国防圏を確保するために中華民国方面の戦力を転用する「甲号転用」を計画しました。これにより、日本軍は5個の師団を中国戦線に移動させ、特に第11軍の精鋭師団が大きな影響を受けました。この状況を鑑みて、第11軍司令官の横山勇中将は、早期に出撃し中国軍の戦力を削減する作戦を立案しました。

目的は、中国戦線の維持だけでなく、中国軍のビルマ戦線への転用を抑制することにもありました。作戦実施の許可を得た後、日本軍は常徳攻撃に向けて動き始めました。

参加兵力

日本軍

• - 第11軍（司令官：横山勇中将）
• - 師団：第3、第13、第39、第40、第68師団、及び第116師団
• - 航空部隊：第3飛行師団の偵察機など

中国軍

参加兵力は約30から42個師団に及びましたが、各師団は数千人程度と日本軍に比べて劣っていました。総兵力は約20万人に達しました。

戦闘の経過

日本軍は11月2日に侵攻を開始、澧水北岸を目指し進撃しました。初期の抵抗はほとんどなく、11月13日には目標地点に到達しました。この後、日本軍は常徳への侵攻に移行し、中国側は有力な抵抗体制を築くことができました。特に常徳においては、激しい攻防が繰り広げられました。日本軍は激しい抵抗に直面し、常徳城に対する攻撃が続けられました。

常徳城は堅固な防御を誇っており、激しい市街戦が展開されました。日本軍は11月28日に城内に突入しましたが、依然として中国軍の抵抗が続きました。最終的に、日本軍は12月3日までに常徳を占領しました。

日本軍の撤退

占領後、日本軍は第3期作戦として撤退を開始しました。当初の予定を超え、12月11日に撤退行動が始まりましたが、中国軍の激しい追撃にさらされ、両軍の損害は大きくなりました。結局、日本軍は常徳を放棄し、作戦前の位置へ退却しました。

結果

常徳殲滅作戦は、日本軍の一時制圧と中国軍への打撃を一応達成しましたが、戦略的には日本側の目的達成には至りませんでした。日本側は約11,000人の損害を出し、中国側でも大きな死傷者を出したと記録されています。戦後、中国側は勝利を主張し、日本軍の占領地を奪還したことを強調しました。この戦役は、その後の日本の大陸打通作戦にも影響を及ぼすことになりました。

中国軍と日本軍の間の戦闘は激しさを増し、双方に多大な損失をもたらしましたが、戦略的な影響を考えると、この作戦は日中戦争の中で重要な節目となったと言えるでしょう。

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