常泉寺 (魚津市)

常泉寺について

常泉寺（じょうせんじ）は、富山県魚津市上村木に位置する曹洞宗の寺院です。この寺院は巖谷山の懐にあり、歴史的にも特別な意味を持つ存在です。常泉寺は戦国時代の享禄2年（1529年）に松倉城主である椎名氏により、巖谷にて建立されました。開創にあたっては、椎名康胤の妻である賀雲慈慶が属していた江上氏からの支援を受けていたと伝えられています。

寺院の歴史は、1530年代の激動の時代に深く結びついています。永禄12年（1569年）頃、寺は上杉謙信の攻撃に直面し、その結果椎名氏が滅茶苦茶になり、椎名氏の地盤である松倉城の周辺から移されることとなりました。こうして、天正4年（1576年）には東城村に移転し、その後の変遷が始まります。

さらに、慶長20年（1615年）の7月16日には、魚津城代の青山長正より寺領を賜ることで、寺は再び歴史の舞台に戻ります。この時、東城村から魚津城下・真成寺町への移転が行われました。その後、寛永16年（1639年）には加賀藩主前田利常から寺地や地子米が寄進されるなど、加賀藩主からの保護を受け、その名声が高まりました。

常泉寺は昭和中期まで魚津町における代表的な寺院として崇拝され続けましたが、昭和31年（1956年）に発生した魚津大火によって山門が焼失してしまいます。この火災は寺にとって大きな試練でしたが、その後区域整理に伴い、現在の地へと移転し、新たな歴史を刻むこととなります。

寺の他の歴史的な出来事として、永禄7年（1564年）8月23日には椎名康胤が妻・賀雲慈慶のために、賀積手作分のうち30俵の地所を常泉寺に寄進したことが挙げられます。さらに、天正4年（1576年）には、椎名康胤の子である椎名康次が松倉城下の常泉寺にて松室文寿と名乗ったとも言われています。

このように常泉寺は、代々の名主や地域の人々に支えられながら、地域文化や信仰の中心としての役割を果たしてきました。現在でも多くの人々が参拝し、歴史を感じる場所となっています。常泉寺はその長い歴史と共に、地域の信仰や文化を今に伝える貴重な存在であり続けています。

参考文献には、北日本新聞社が編纂した『富山大百科事典 上巻』があり、1994年に発行されています。さらに、常泉寺に関連する資料や情報は、地域の歴史を知る上で非常に貴重です。これからも多くの人々に愛される寺院として、常泉寺の歴史は語り継がれていくことでしょう。

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