常磐快速線

常磐快速線

常磐快速線は、東京都台東区の上野駅から茨城県取手市の取手駅までを結ぶ、JR東日本常磐線の快速運転系統の名称です。路線記号はJJで、案内上は「常磐線（快速）」と表示されます。この路線は、上野駅から日暮里駅を経由し、常磐線へと直通する系統を指します。

運行概要

常磐快速線は、都心から北千住、松戸、柏といった東京のベッドタウンを経由し、取手市へ至る通勤・通学路線です。全区間が複々線となっており、快速線は緩行線と並行して走行します。緩行線は「常磐緩行線」と呼ばれ、東京メトロ千代田線と相互直通運転を行っています。

1971年に綾瀬駅 - 我孫子駅間が複々線化されたことで、常磐快速線は誕生しました。これにより、従来の各駅停車は緩行線へ、中距離列車や快速電車は快速線を走行するようになりました。複々線区間はその後、1982年に取手駅まで延伸されています。

上野駅から取手駅までは直流電化ですが、取手駅以北は交流電化となっています。これは、沿線にある気象庁の地磁気観測所への影響を避けるためです。そのため、直流電車と交直流電車が使い分けられています。

2009年のデータでは、松戸駅 - 北[[千住駅]]間のラッシュ時1時間の輸送量は約6万7千人で、混雑率は約176%に達しています。

歴史

1971年：北[[千住駅]] - 我孫子駅間の複々線化完成に伴い、上野駅 - 取手駅間で快速運転開始。
1972年：快速が柏駅に停車。
1980年：全列車が柏駅に停車。
1985年：中距離列車が北[[千住駅]]に停車。
1991年：通勤快速を運転開始。
2005年：特別快速を運転開始。
2006年：通勤快速を廃止。
2015年：上野東京ライン開業に伴い、品川駅まで直通運転開始。特別快速が北[[千住駅]]に停車。

運行形態

常磐快速線の列車は、特急、快速電車、中距離列車（普通、特別快速）の3種類に大別されます。快速電車と中距離列車は、現在は停車駅が統一され「快速」として案内されています。しかし、車両運用は区別され、快速電車は緑色のライン、中距離列車は青色のラインの車両が使用されています。快速電車の標準所要時間は、上野駅 - 取手駅間が約40分です。

快速電車

上野駅 - 取手駅間を走る快速電車は、1971年の複々線化に伴い新設されました。当初は103系電車が使用され、「青電」とも呼ばれていました。停車駅は柏駅が追加されて以降、変更はありません。一部の電車は我孫子駅から成田線に直通します。朝夕には品川駅発着の電車も運行されています。

中距離列車

中距離列車は、複々線化以前から一部の駅に停車していた列車です。かつては「赤電」と呼ばれていました。現在は、普通と特別快速の2種類が運行されています。普通列車は、快速電車と停車駅が統一されています。特別快速は、2022年3月のダイヤ改正で大幅に削減されました。

「快速」への呼称統一

かつて、中距離列車と快速電車では停車駅が異なり、利用客にとって分かりづらい状況でした。しかし、段階的な停車駅の追加を経て、2004年10月からは中距離列車も上野駅 - 取手駅間で「快速」と案内されるようになりました。これにより、停車駅の違いによる混乱は解消されました。

列車種別

特急：「ひたち」「ときわ」が運行。柏駅に「ときわ」が全列車停車。
貨物列車: JR貨物による貨物列車が運行。本数は比較的多い。

使用車両

特急：E657系
快速電車：E231系（緑色のライン）
中距離列車：E531系（青色のライン）。グリーン車連結。

過去には、485系、651系、E653系などの特急車両、103系などの快速電車、401系、403系、415系、E501系などの中距離列車が使用されていました。

路線データ

路線距離：上野駅 - 取手駅間39.6km（品川駅 - 取手駅間50.0km）
管轄：JR東日本
軌間：1,067mm
駅数：10駅（快速線上にホームのある駅）
電化区間：全線（直流1,500V）
保安装置：ATS-P
最高速度：130km/h

混雑率

2020年度の最混雑区間（松戸 → 北千住間）の混雑率は91%です。

駅一覧

上野駅 - 取手駅間の快速線上に設置されている旅客駅は以下の通りです。

上野駅
日暮里駅
北[[千住駅]]
松戸駅
柏駅
天王台駅
我孫子駅
取手駅

その他

常磐快速線は、都心と茨城県南部を結ぶ重要な路線であり、通勤・通学の足として多くの人に利用されています。

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