常胤法親王

常胤法親王（じょういんほっしんのう）

常胤法親王は、1548年（天文17年）に誕生し、1621年（元和7年）に没した、安土桃山時代後期から江戸時代前期にかけての皇族であり、仏教の僧侶です。伏見宮邦輔親王の第4王子として生まれ、母は万里小路惟房の娘です。幼くして仏門に入り、妙法院門跡となりました。

生涯

1564年（永禄7年）、京都の妙法院で出家し、門跡となり、妙法院宮と称されました。その後、正親町天皇の猶子となり、1575年（天正3年）に親王宣下を受けました。1597年（慶長2年）には、天台宗の最高位である天台座主に就任し、雲龍院の門主も兼ねました。

1614年（慶長19年）には、京都方広寺大仏鐘銘事件が起こり、その責任を問われた照高院興意法親王の後任として、方広寺の別当に就任し、大仏の管理も担当しました。豊臣家が滅亡した後、1616年（元和2年）には、妙法院門主であった常胤は、豊国社に保管されていた豊臣秀吉の遺品などを押収し、その後、徳川家康によって豊国社や神宮寺が妙法院に引き渡されました。

1621年（元和7年）6月11日、74歳で薨去し、墓所は妙法院宮墓地にあります。

人物

常胤法親王は、歌道にも造詣が深く、優れた歌人として知られていました。また、茶の湯にも関心が深く、古田織部に茶を学び、茶人としても活躍しました。文化人としての側面も持ち合わせていたと言えるでしょう。

参考文献

* 末宗廣編『茶人系譜』河原書店、1977年

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