幌岩山

幌岩山

概要

北海道の常呂郡佐呂間町に位置する、標高376.0メートルの山である。北見山地の東部に属し、広大なサロマ湖の南岸にその姿を見せる。山頂には国の基準点である一等三角点「幌岩山」が設置されており、地理的にも重要な地点となっている。

地理と特徴

幌岩山は、サロマ湖畔の景勝地として知られるエリアに位置しており、その山麓には地域の特産品などが手に入る道の駅サロマ湖がある。また、山頂のやや北側には、特にサロマ湖の絶景を望むために整備されたサロマ湖展望台が設けられている。

この山へのアクセスは比較的容易であり、舗装されていない部分を含む幌岩山林道を利用すれば、車で山頂付近まで直接アクセスすることが可能である。ただし、この林道は経路によって通行方法に制限があり、特に車で登る際には浪速方面からの進入が推奨され、下山時には富武士方面へ抜ける一方通行区間が存在するため、事前に通行ルートを確認することが重要である。

山頂そのものは樹木に覆われており、周囲の景色を見渡すことはできない。しかし、隣接するサロマ湖展望台からは、眼下に広がるサロマ湖の壮大なパノラマ景観を満喫できる。晴れた日には、湖面だけでなく、遠方に連なる北見山地の山並みや、さらには遠くの知床連峰までを見渡すことができ、その眺望の素晴らしさから多くの訪問者を魅了している。

名称の由来

「幌岩山（ほろいわやま）」という山の名前は、北海道の地名に多く見られるアイヌ語に由来していると考えられている。アイヌ語の「ポロ・イワ（poro-iwa）」は、「大きい・山」という意味を持つ言葉であり、この地域において比較的目立つ存在であったことから、この名がつけられたと推測されている。

登山

幌岩山には、初心者から気軽に楽しめる複数の登山ルートが整備されている。

最も手軽で短いコースは、サロマ湖展望台の駐車場から山頂へ向かうルートである。このコースは勾配も緩やかで、駐車場から山頂まではわずか10分程度で到着できるため、時間がない場合や軽装備での訪問に最適である。

展望台からのルート以外にも、山麓から山頂を目指す本格的な登山道が二つ整備されている。一つは、山の西側にある道の駅サロマ湖を起点とするルートである。このコースは、途中に休憩用の東屋が設置されているなど、比較的歩きやすいように整備されている。しかし、一部にはロープを使って登るような場所や、道が崩れて通りにくくなっている箇所も存在するとの報告もあり、足元に注意しながら慎重に進む必要がある。

もう一つのルートは、幌岩山の東側に位置する浪速（なにわ）集落付近から始まるコースである。こちらも登山道の途中に日差しを避けて休憩できるパーゴラ付きの休憩所が設けられているなど、登山道としては比較的難易度が高くないとされている。

これらの多様な登山道を通じて、訪問者は自身の体力や時間に合わせて幌岩山の自然を楽しむことができる。

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