平井城一

平井城一（ひらい じょういち）は、1922年12月15日に香川県高松市で生まれ、1999年7月29日に76歳で亡くなった日本の政治家です。彼は3期12年にわたり香川県知事を務め、その在任期間中に県内の主要な開発プロジェクトを推進した一方で、豊島産廃問題への対応の遅れが批判されました。

生涯

平井城一は、東京帝国大学を中退後、香川県庁に入庁しました。企画部長、出納長、副知事などの要職を歴任し、県政の中枢を担いました。1986年に前知事の前川忠夫が引退すると、自民党、社会党、公明党、民社党の推薦を受け、香川県知事に初当選しました。

知事在任中、平井は瀬戸大橋、高松空港、四国横断自動車道という、いわゆる「県の三大プロジェクト」の実現に尽力しました。特に高松空港では、大型ジェット機が離着陸できる四国初の2500m滑走路を整備しました。また、サンポート高松や香川インテリジェントパークなどの開発にも積極的に取り組み、県内経済の発展に貢献しました。

豊島産廃問題

平井の功績とは対照的に、彼の任期中に深刻化したのが豊島産廃問題です。この問題は、前任の前川忠夫が1978年に住民の反対を押し切って産業廃棄物処分場を認可したことに端を発します。しかし、1986年に平井が知事に就任した後も、住民からの被害陳情は無視され続け、問題は深刻化しました。1990年、香川県に見切りをつけた住民は兵庫県警に被害届を提出し、兵庫県警の摘発をきっかけに、香川県は対応に乗り出さざるを得なくなりました。

豊島住民との調停は、県の責任と補償を巡り難航しました。当初、香川県は「産廃の量は膨大で撤去は困難であり、県には責任がない」という態度を取りました。しかし、1996年の公害調停委員会の指摘や、国が処分費用の半分を負担することになった状況の変化を受け、県は態度を軟化させました。1997年、調停の中で県の監督責任を認め、島外への撤去で住民側と中間合意を締結しました。しかし、この中間合意は住民側への賠償責任の放棄を求めたり、責任の所在があいまいなものであり、平井の在任中に最終合意には至らず、問題は次期知事の真鍋武紀に引き継がれることになりました。

1998年に知事を引退した後、平井は香川県立文書館や香川県歴史博物館の名誉館長に就任しました。1999年6月下旬に体調を崩して入院し、同年7月29日に呼吸不全のため死去しました。死後、香川県名誉県民と正四位勲二等旭日重光章を授与されました。

平井城一は、香川県の発展に貢献した一方で、豊島産廃問題という大きな課題を残した人物として、その功績と課題が後世に語り継がれています。

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