平公雅

平公雅の生涯と業績

平公雅（たいら の きんまさ/きみまさ）は、平安時代中期に活躍した武将で、平良兼の長男として生まれました。彼の名は、平公正、平公雄、平忠望とも同一視され、この時代における重要な歴史的存在でした。特に平公雅は、従兄弟である平将門との関係が際立っており、彼との争いが彼の生涯に大きな影響を与えました。

略歴

公雅は父・平良兼と共に、平将門と頻繁に対立しました。ある戦いでは、良兼らが将門の妻子を捕らえ、上総に拉致する際、弟の公連と一緒に彼らを将門の元に逃がしたとされます。このような複雑な友情や敵対関係の中で、彼は成長していきました。

承平7年（937年）には、将門からの訴状を受けた朝廷により、追捕の対象となります。このため、彼は家族と共に将門との抗争に関与していたと考えられています。しかしながら、天慶2年（939年）6月、父が病死すると、彼は将門と敵対する平貞盛らとは距離を置くことになります。

その後、天慶3年（940年）1月には、将門の乱を抑えるために設けられた坂東8ヶ国の東国掾に任命されました。この騒乱が収束した後、公雅は安房守に任命され、さらには天慶5年（942年）には武蔵守に就任します。

武蔵守としての公雅は、将門の乱による荒廃からの復興に尽力し、金龍山浅草寺の再建を果たしました。また、同年には五重塔の創建を成し遂げ、その塔には江戸時代に設けられた町火消「う組」の位牌も安置されているとのことです。

観音様の教え

天慶8年（945年）3月18日、公雅は枕元に観音様が立たない姿を見ました。観音様は「沖合の青、赤、黒三通りの海草を食べると無病開運がもたらされ、来世で仏果を得るだろう」と告げました。この教えに従い、彼はこれらの海草を集めて食したところ、その美味しさと健康効果から「浅草のり」として知られるようになったと言われています。

家族と系譜

公雅の父は平良兼で、母は不詳ですが、家族には息子が数人おり、特に平致秋、平致成、平致頼、平致光（平致行とも同一視される）、入禅が存在します。他にも女子には平忠常の正室と有道維広の室があります。

文化作品の中の平公雅

平公雅は歴史ドラマや文学作品においても取り上げられています。特に、1976年に放送されたNHKの大河ドラマ『風と雲と虹と』では、高野浩幸が公雅を演じました。

結論

平公雅は、平安時代における武将として将門との関与、復興活動、そして観音様の教えを受けたエピソードなど、多彩な業績を有する重要な歴史的人物です。彼の生涯は、当時の日本社会の様々な側面を反映しており、後世にわたって語り継がれています。

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