平原まこと

平原まことの音楽キャリア

平原まこと（本名：平原智）は、日本のマルチサックスプレイヤーであり、1952年5月2日に大阪府に生まれました。彼は、サックスを主にクラリネットやフルートなども演奏し、豊かな音楽性で知られています。その影響は父の平原勉から受け継がれ、音楽の道へ進むきっかけとなりました。彼の長女であるAIKAや次女である平原綾香も音楽の道で成功を収めるなど、音楽一家として知られています。

平原は、幼少期を長崎県で過ごした後、天理高等学校に進学。ここでは吹奏楽部に加入し、クラリネットを担当しながら副キャプテンとして部を支えました。大学へ進むと、近畿大学の文化会軽音楽部「P.K.U. アトミック・フォース・ジャズ・オーケストラ」で主将を務め、音楽に対する情熱を一層深めました。1974年には関西の大学オールスターズを結成し、メイナード・ファーガソンオーケストラとも共演するなど、若い頃からその才能を発揮しました。

その後、大学を卒業した平原は、1981年まで岡本章生とゲイスターズでアルトサックス奏者として活動しました。この時期にはフランク・シナトラやナタリー・コールなど、海外アーティストのコンサートにも参加し、国際的な舞台での経験を積みました。また、東京ポップスオーケストラや宮川泰による「宮川組」という名の公演でも成功を収め、多くの有名アーティストと共演してきました。

平原はスタジオミュージシャンとしても著名で、ニューヨークや香港のレーベルからの依頼で多くのレコーディングに参加しました。彼の年間レコーディング数は1000曲を超えることもあり、国内外のアーティスト、例えば安全地帯やB'z、山下達郎など幅広いジャンルのミュージシャンとも仕事をしました。また、蜷川幸雄監督の舞台『三文オペラ』や三谷幸喜脚本のミュージカル『オケピ!』にも出演し、舞台音楽でもその才能を発揮しました。

テレビや映画音楽においても彼の存在は重要で、NHK連続ドラマ『ちゅらさん』や、『さくら』、『まんてん』などの作品で演奏し、多くの人々に親しまれました。また、アニメも得意とし、『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』、『ルパン三世』などのサントラに参加。さらに、ゲーム音楽にも貢献し、『ときめきメモリアル』のキャラクターソングでもその技術を披露しました。

平原まことは本名である「平原智」としても演歌のレコーディングを行い、その多様な活動の幅広さを証明しました。また、彼の音楽的な知識を伝えるために、アルソ出版の雑誌『ザ・サックス』にて連載を11年間続け、多くのファンに支持されました。

2004年には30周年記念コンサートを東京オペラシティーで開催し、綾香とのセッションも実現。また、2008年には綾香と共演し、「ひまわり」を歌唱したトリビュートアルバムに参加、エンディングではサックスソロをパフォーマンスしました。

晩年には2020年に新型コロナウイルスの影響で中止となった「TOKYO JAZZ +plus」にオンライン参加するなど、時代の変化にも応じて活動を続けていました。しかし、2021年11月26日、胃がんにより69歳で亡くなりました。その訃報は平原綾香の公式サイトで発表され、音楽界に大きな衝撃を与えました。平原まことの音楽は、多くの人々の心に残り続け、これからも愛されることでしょう。

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